EAAは必要か?プロテインだけで十分だと効果サイズで判断した理由

EAAは必要か?プロテインだけで十分だと効果サイズで判断した理由

俺は「プロテイン、クレアチン、EAA(必須アミノ酸)の3つがメイン」と言ってきた。

EAAは筋合成のエビデンスが固い。そう信じていた。

でも今回、「本当にEAAは必要なのか?」を批判的に検証した。

結論から言うと、俺の考えは間違っていた。

EAAの「強み」とされているもの

まずEAAの主張を確認しておく。

ISSN(国際スポーツ栄養学会)のポジションスタンド(2023)によると:

  • 3g EAA ≈ 20g whey protein(急性MPS(筋タンパク合成)刺激で同等)
  • 遊離アミノ酸は消化不要で吸収が速い
  • EAAと運動の相乗効果がある

一見すると、EAAは効率的に見える。3gで20gのホエイと同等なら、コスパが良いように思える。

でも、ここに落とし穴がある

急性MPS ≠ 長期的筋肥大

ISSNのポジションスタンドには、こう書いてある。

“Less work has documented the long-term effects/outcomes associated with EAA utilization in athletic populations.”

日本語にすると「アスリートにおけるEAAの長期的な効果は、まだ十分に検証されていない」。

急性MPS(筋タンパク合成)の研究は多い。でも、それが長期的な筋肥大につながるかは別の話だ。

急性MPSで20%上がっても、それが8週間後の筋肉量に反映されるかは分からない。

Muscle Full効果

次に重要なのが「Muscle Full」効果だ。

Examine.comのまとめによると:

  • タンパク質摂取が1.6 g/kg/日を超えると追加効果がない
  • 3.2 g/kg/日まで増やしても、さらなる筋肥大は見られない

これは「MPSが天井に達している」状態を意味する。

俺は体重70kg。毎日140g以上のタンパク質を食事とプロテインで摂っている。

この状態でEAAを追加しても、すでに天井に達しているから追加効果がない可能性が高い。

システマティックレビューの結果

Nutrition Reviewsのアンブレラレビュー(PMID: 32483625)では、こう結論づけている。

“Systematic reviews reveal equivocal findings regarding the impact of EAA-based supplementation on muscle mass, strength and function in healthy older adults.”

「EAAの筋肉量・筋力・機能への効果は一貫していない」。

さらに、MDPIの筋肥大サプリレビューでは:

“Total protein intake per day, rather than protein timing or quality, appears to be more of a factor on this effect during long-term exercise interventions.”

1日の総タンパク質摂取量の方が、タイミングや質よりも重要」。

これは俺が見落としていたポイントだ。

ホエイ vs EAA 直接比較

PMC2901380の研究では、ホエイプロテインとEAAを比較している。

結果:高齢者で、ホエイプロテインはEAA単独より筋タンパク蓄積が大きかった

ただし、ホエイの方が総アミノ酸量が約50%多かった点は注意が必要。でも、これは実際の使用シーンを反映している。

実際に飲む量で比較すれば、ホエイの方が筋肉につながりやすい。

コスパで比較

EAAとホエイプロテインのコスパを比較してみる。

項目EAAホエイプロテイン
1サービング約10g約25g
価格目安¥100-150/回¥50-80/回
カロリー10-20 kcal100-130 kcal
同じ金額で得られるタンパク質少ない多い

同じ金額を出すなら、ホエイの方が多くのタンパク質を摂れる

前回の記事で書いたように、プロテインの効果サイズは0.22で控えめだが、1.6 g/kg/日未満の人には確実に効果がある。

EAAは効果サイズすら明確ではない。

EAAが有効かもしれない人

とはいえ、EAAが完全に無意味とは言わない。

EAAが有効な可能性がある人

  • タンパク質摂取が不十分な高齢者
  • 極端なカロリー制限中(カロリーを抑えてアミノ酸だけ摂りたい)
  • 消化機能に問題がある人

これらに当てはまらないなら、プロテインで十分だ。

俺の結論:EAAは「効果サイズ不明」に格下げ

正直に認める。

俺は「プロテイン、クレアチン、EAAの3つがメイン」と言ってきた。でも、リサーチした結果、EAAの長期的効果サイズは検証不足だと分かった。

俺が信じてきた「EAAは筋合成のエビデンス固い」は、急性研究に偏った判断だった

今の俺のランキングはこうなる。

サプリ効果サイズ判定
クレアチンA揺るがない
プロテイン0.22(1.6g/kg/日未満なら有効)条件付き
EAA不明格下げ

俺はEAAを飲むのをやめて、その分の金をプロテインに回す。

効果サイズが不明なものに金を使うより、確実なものに投資する。それが俺の原則だ。

まとめ

  • EAAの急性MPS効果は確か。でも長期的筋肥大への効果は検証不足
  • タンパク質が1.6 g/kg/日を超えていれば、EAAを追加してもMuscle Full効果で恩恵なし
  • システマティックレビューでも結果は一貫していない
  • コスパではプロテインの方が優れている
  • EAAは「効果サイズ不明」に格下げ

今回紹介したサプリ

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竹内 翔

効果サイズ原理主義者。エビデンスあっても効果サイズ小さいなら優先度は下がると考える。プロテイン、クレアチン、EAAがメインだが、効果サイズを基準に幅広く評価。

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