プロバイオティクスサプリの選び方【菌株・CFU・効果】 (Probiotics)

プロバイオティクスサプリの効果を論文に基づいて解説。腸内環境、口腔ケア、免疫への効果と、菌株・CFUの選び方。

📊 エビデンスサマリー

歯周病治療の補助で効果(BOP低下、プラーク指数改善)。免疫・炎症への効果は限定的。菌株と用途のマッチングが重要。

エビデンスレベル: 中(RCT・システマティックレビュー)

形態別比較

形態 吸収率 特徴 おすすめ用途
カプセル(腸溶性) 胃酸を通過して腸まで届く 腸内環境
ロゼンジ・チュアブル 口腔内で溶け、口腔細菌叢に作用 口腔ケア
パウダー 飲み物や食事に混ぜやすい 子供・嚥下困難

プロバイオティクスとは

プロバイオティクスは、適切な量を摂取することで健康に有益な効果をもたらす生きた微生物だ。主にLactobacillus(乳酸桿菌)とBifidobacterium(ビフィズス菌)が使われる。

「腸内環境を整える」と言われるが、実際のエビデンスは用途によって大きく異なる。菌株と目的のマッチングが重要だ。

エビデンスサマリー

口腔ケア・歯周病(メタアナリシス)

2025年のメタアナリシスは、24研究(歯肉炎10、歯周炎14)を分析。

歯周炎への効果:

指標効果p値
プラーク指数低下0.001
BOP(歯肉出血)低下0.021
PPD(ポケット深さ)低下傾向0.077

結論として、プロバイオティクスは歯周病治療の有益な補助となりうる。特に短期フォローアップでPPDの有意な改善が見られた。

免疫・炎症(システマティックレビュー)

2019年のシステマティックレビューは、健康な成人を対象としたRCTを分析。

結論: 健康な成人では、循環免疫・炎症マーカーへの効果は限定的

これは「効かない」という意味ではなく、「すでに健康な人にはさらなる改善が見られにくい」ということ。疾患を持つ人では効果が出やすい傾向がある。

消化器系

下痢(特に抗生物質関連下痢)、IBS(過敏性腸症候群)、便秘などに対しては多くのRCTで効果が報告されている。ただし、菌株によって効果が異なるため、一般化は難しい。

菌株の選び方

プロバイオティクスは「菌株」が重要。同じLactobacillusでも株によって効果が全く異なる。

目的推奨菌株備考
口腔ケアBLIS K12、BLIS M18口腔内で増殖、病原菌を競合阻害
抗生物質関連下痢Saccharomyces boulardii酵母、抗生物質の影響を受けない
IBSBifidobacterium infantis 35624Align®で研究
一般的な腸活LactoBif®ブレンド複数菌株の組み合わせ
免疫サポートLactobacillus rhamnosus GG最も研究が多い菌株の一つ

CFU(菌数)の目安

CFU(Colony Forming Units)は生きた菌の数を示す。

  • 一般的な維持: 10〜300億CFU/日
  • 治療目的: 500億〜1000億CFU/日
  • 口腔ケア: 10〜50億CFU/日

ただし、「多ければ良い」わけではない。適切な菌株を適切な量で摂ることが重要。

形態と用途

カプセル(腸溶性)

  • 胃酸を通過して腸まで届く
  • 腸内環境改善に最適
  • 冷蔵保存が必要なものも

ロゼンジ・チュアブル

  • 口腔内で溶ける
  • 口腔ケア目的ならこれ
  • 就寝前に摂取が効果的

パウダー

  • 飲み物や食事に混ぜやすい
  • 子供や嚥下困難な人向け
  • 熱い飲み物は避ける

おすすめ製品

腸内環境(コスパ重視)

California Gold Nutrition LactoBif 30

300億CFU、8種の菌株ブレンド。コスパ抜群の定番。

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腸内環境(高用量)

California Gold Nutrition LactoBif 100

1000億CFU。抗生物質使用後や集中ケアに。

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口腔ケア

NOW Foods OralBiotic

BLIS K12配合。就寝前に舐めて口腔細菌叢を改善。

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注意点

  • 抗生物質との併用: 2時間以上空けて摂取
  • 免疫抑制状態: 医師に相談(生菌は感染リスク)
  • 保存: 製品によっては冷蔵が必要
  • 期待値: 健康な人では劇的な効果は期待しにくい

関連成分

プロバイオティクスと一緒に摂ると効果的な成分です。

  • 食物繊維 - プレバイオティクスとして善玉菌のエサに。シンバイオティクス効果
  • グルタミン - 腸粘膜の主要なエネルギー源。腸バリア機能をサポート
  • 亜鉛 - 腸粘膜の修復と免疫機能に重要
  • ビタミンD - 腸の免疫機能を調節。腸内環境の改善をサポート

まとめ

  1. 口腔ケア: 歯周病治療の補助として有効(BOP低下、プラーク改善)
  2. 腸内環境: 下痢・IBSには効果、健康な人への効果は限定的
  3. 菌株が重要: 目的に合った菌株を選ぶ
  4. 形態を選ぶ: 口腔ケアならロゼンジ、腸活なら腸溶性カプセル
  5. CFU: 10〜300億が目安、多すぎる必要なし

よくある質問

Q. プロバイオティクスのCFU(菌数)は多いほど良い?

必ずしもそうではありません。一般的な維持なら10〜300億CFUで十分です。重要なのは菌数より、目的に合った菌株を選ぶことです。

Q. 抗生物質と一緒に飲んでいい?

抗生物質を服用中でも飲めますが、2時間以上空けて摂取してください。Saccharomyces boulardii(酵母)は抗生物質の影響を受けにくいのでおすすめです。

Q. プロバイオティクスは冷蔵が必要?

製品によります。一部の菌株は室温保存OKですが、生菌数を維持するには冷蔵保存が安心です。パッケージの保存方法を確認してください。

Q. 口腔ケア用と腸用の違いは?

口腔ケア用はロゼンジ・チュアブル形式で口の中で溶け、口腔細菌叢に作用します。腸用は腸溶性カプセルで胃酸を通過して腸まで届きます。目的で形態を選びましょう。

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    論文原理主義者。PubMed、Examine.comを週末に巡回するのが娯楽。メタアナリシス・RCTまで読み、成分フォームと生体利用率を重視する。 おすすめを見る →
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