プロテインサプリの選び方【最適摂取量とエビデンス】 (Protein)

プロテインサプリの効果を論文に基づいて解説。最適摂取量、ホエイvsカゼイン、筋トレとの組み合わせ効果。

📊 エビデンスサマリー

筋トレと組み合わせで筋力+9%、除脂肪体重+0.3kg。単独では効果なし。最適量は1.6-2.2g/kg/日だが、ブレイクポイントは統計的に有意ではない。

エビデンスレベル: 高(メタアナリシス・複数RCT)

形態別比較

形態 吸収率 特徴 おすすめ用途
ホエイプロテイン(WPC) 吸収が速い、最も一般的 トレーニング後
ホエイプロテイン(WPI) 乳糖除去、純度が高い 乳糖不耐症
カゼインプロテイン 吸収がゆっくり、持続的なアミノ酸供給 就寝前
植物性プロテイン ピー、ライス、ソイなど ヴィーガン

プロテインサプリとは

プロテインサプリメントは、食事だけでは不足しがちなタンパク質を補うためのもの。筋トレ愛好家だけでなく、高齢者のサルコペニア予防にも注目されている。

ただし、プロテインは魔法の粉ではない。効果は筋トレとの組み合わせで発揮される。

エビデンスサマリー

筋トレ+プロテインの効果

2018年のランドマーク的メタアナリシスは、49研究・1,863名を分析。

筋トレにプロテインを追加した効果:

アウトカム効果解釈
1RM(筋力)+2.49 kg(約9%改善)中程度
除脂肪体重+0.30 kg小さい
筋繊維断面積+310 µm²小さい

効果はあるが、効果サイズは「小〜中程度」。プロテインを飲むだけで劇的に筋肉がつくわけではない。

プロテイン単独では効果なし

2022年のメタアナリシスは、閉経後女性を対象に分析。

結論: 筋トレなしでホエイプロテインを摂取しても、筋力・除脂肪量に有意な効果なし

“Without RT, WP has no significant benefit on muscle strength or lean mass.”

プロテインは筋トレと組み合わせて初めて効果を発揮する。

最適摂取量:1.6g/kgで十分?

「体重1kgあたり1.6gのタンパク質で十分」とよく言われるが、これは本当か?

1.6g/kgのブレイクポイント

Morton et al.のメタアナリシスでは、1.62g/kg/日がブレイクポイントとされた。

しかし問題がある:

  • p = 0.079(統計的に有意ではない)
  • 95%CI: 1.03-2.20(信頼区間が広すぎる)

つまり、1.6g/kgは「最適」ではなく**「最低ライン」**と考えるべきだ。

ISSNの推奨(国際スポーツ栄養学会)

状況推奨摂取量
筋肥大・筋力向上1.6-2.2 g/kg/日
カロリー制限中(減量期)2.3-3.1 g/kg/日
高度なトレーニー2.0+ g/kg/日

脂肪を減らしながら筋肉を維持したいなら、2.3g/kg以上が必要。

ホエイ vs カゼイン

ホエイプロテイン

  • 吸収速度: 速い(1-2時間)
  • アミノ酸プロファイル: ロイシン含有量が高い
  • 最適なタイミング: トレーニング後

カゼインプロテイン

  • 吸収速度: 遅い(6-8時間)
  • 持続性: 長時間のアミノ酸供給
  • 最適なタイミング: 就寝前

結論: 日常的にはホエイ、就寝前はカゼインという使い分けが合理的。ただし、総タンパク質摂取量が十分なら、この違いは大きくない。

WPC vs WPI

種類タンパク質含有率乳糖価格
WPC(濃縮)70-80%含む安い
WPI(分離)90%+ほぼなし高い
  • 乳糖不耐症: WPIを選ぶ
  • コスパ重視: WPCで十分
  • 純度重視: WPI

1食あたりの上限

「1食20-30gで十分」とよく言われるが、最新研究ではこれは単純化しすぎ。

  • 吸収速度が遅ければ、100gでも利用される可能性がある
  • 若者 vs 高齢者で最適量が異なる
  • 実践的には1食30-50gを目安に

おすすめ製品

ホエイWPI(乳糖少なめ)

California Gold Nutrition ホエイプロテインアイソレート

プレーン味。WPIで乳糖ほぼなし。味付けなしで料理にも使える。

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(Amazonと楽天では、同じ商品が見つからない場合があります)

ホエイWPC(コスパ重視)

NOW Foods ホエイプロテイン濃縮

プレーン味。WPCで安価。味付けなしでアレンジ自在。

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植物性プロテイン

Garden of Life RAW オーガニックプロテイン

ヴィーガン対応。発芽玄米、エンドウ豆ベース。オーガニック認証。

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注意点

  • 腎臓疾患: 高タンパク食は医師に相談
  • 過信しない: 筋トレなしでは効果なし
  • 食事優先: サプリは補助、まずは食事から

関連成分

プロテインと一緒に摂ることが多いトレーニングサポート成分です。

  • クレアチン - 筋力増強のAランク成分。プロテインと並ぶ必須サプリ
  • BCAA - 筋タンパク質合成をサポート。プロテインに含まれるがトレ中摂取に
  • グルタミン - 腸管・免疫サポート。激しい運動後に
  • コラーゲン - 関節・腱のサポート。プロテインとは異なるアミノ酸プロファイル

まとめ

  1. 筋トレと組み合わせ必須 - 単独では効果なし
  2. 効果サイズは小〜中程度 - 魔法の粉ではない
  3. 最適量は1.6-2.2g/kg/日 - 1.6は最低ライン
  4. 減量期は2.3g/kg以上 - 筋肉維持のため
  5. WPC vs WPI - 乳糖不耐症ならWPI

よくある質問

Q. プロテインを飲むだけで筋肉はつく?

筋トレなしではつきません。メタアナリシスで、筋トレなしのプロテイン摂取は筋力・除脂肪量に有意な効果がないことが確認されています。必ず筋トレと組み合わせましょう。

Q. 1日どれくらいのタンパク質が必要?

筋肥大目的なら体重1kgあたり1.6-2.2gが推奨されます。減量期で筋肉を維持したいなら2.3g/kg以上必要です。1.6gは最低ラインと考えてください。

Q. ホエイとカゼインの違いは?

ホエイは吸収が速く(1-2時間)トレーニング後向き、カゼインは吸収がゆっくり(6-8時間)で就寝前向きです。総タンパク質量が十分なら、この違いは大きくありません。

Q. WPCとWPIどちらを選ぶべき?

乳糖不耐症ならWPI(分離)を選んでください。そうでなければWPC(濃縮)でコスパ良く摂取できます。純度重視ならWPIがおすすめです。

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  • 三島 誠一

    三島 誠一

    論文原理主義者。PubMed、Examine.comを週末に巡回するのが娯楽。メタアナリシス・RCTまで読み、成分フォームと生体利用率を重視する。 おすすめを見る →
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    桂木 瑛

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