オメガ3(EPA・DHA)サプリの選び方【効果とエビデンス】 (Omega-3 Fatty Acids)

オメガ3(EPA・DHA)サプリの効果を論文に基づいて解説。心血管、炎症、メンタルへの効果と、フィッシュオイルの選び方。

📊 エビデンスサマリー

心血管死亡リスク8%減、中性脂肪15%減。EPA≧60%でうつ症状改善。炎症マーカー(CRP・IL-6)を有意に低下。

エビデンスレベル: 高(メタアナリシス・複数RCT)

形態別比較

形態 吸収率 特徴 おすすめ用途
トリグリセリド型(TG) 天然の魚油と同じ形態、吸収率が高い 効率重視
エチルエステル型(EE) 濃縮しやすく安価、吸収には食事が必要 コスパ重視
リン脂質型(クリルオイル) アスタキサンチン含有、脳への移行性 認知機能

オメガ3とは

オメガ3脂肪酸は、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を主成分とする必須脂肪酸だ。体内で合成できないため、食事やサプリから摂取する必要がある。

青魚(サバ、イワシ、サンマ)に豊富に含まれるが、現代の食生活では不足しがち。そのため、フィッシュオイルサプリメントが広く利用されている。

エビデンスサマリー

心血管系への効果(コクランレビュー)

2020年のコクランレビューは、86のRCT(162,796人)を分析した最も包括的なエビデンスだ。

主な結果:

  • 心血管死亡リスク: 8%減少(RR 0.92、中程度の確実性)
  • 冠動脈疾患イベント: 9%減少(RR 0.91、NNT 167)
  • 中性脂肪: 約15%減少(用量依存的、高い確実性)
  • 全死亡率: 有意差なし(RR 0.97)
  • 脳卒中: 有意差なし

結論として、オメガ3は心血管死亡と冠動脈疾患リスクを「わずかに」減少させる。劇的な効果ではないが、中性脂肪への効果は確実。

うつ病への効果(メタアナリシス)

2019年のメタアナリシスは、26のRCT(2,160人)を分析。

重要な発見:

  • EPA≧60%の製剤で有意な改善(SMD = -0.50)
  • EPA 1g/日以下が最も効果的
  • DHAだけでは効果なし

つまり、メンタルヘルス目的ならEPA優位の製品を選ぶべきだ。

炎症への効果(アンブレラメタアナリシス)

2022年のアンブレラメタアナリシスは、32のメタアナリシスを統合分析。

有意に低下した炎症マーカー:

  • CRP(C反応性タンパク)
  • TNF-α(腫瘍壊死因子)
  • IL-6(インターロイキン6)

慢性炎症が関与する様々な疾患に対して、補助的な抗炎症剤として推奨できる。

形態の違い:TG型 vs EE型

フィッシュオイルには主に2つの形態がある。

トリグリセリド型(TG型)

  • 天然の魚油と同じ構造
  • 吸収率が高い(EE型の1.5倍という報告も)
  • 食事と一緒でなくても吸収される
  • やや高価

エチルエステル型(EE型)

  • 濃縮・精製しやすい
  • 安価で高濃度製品が多い
  • 脂肪を含む食事と一緒に摂る必要がある
  • 空腹時の吸収率は低い

コスパを重視するならEE型でも良いが、食事のタイミングに注意が必要。

EPA vs DHA:目的で選ぶ

目的推奨理由
心血管EPA + DHA両方に効果
うつ・メンタルEPA優位DHAだけでは効果なし
認知機能DHA優位脳の構成成分
炎症抑制EPA優位抗炎症作用が強い
妊娠中DHA重視胎児の脳発達

用量の目安:1g/日で十分?

興味深いのは、2026年のRCTで示されたU字型の用量反応だ。

中高年240名を対象に、0g、1g、2g、4g/日の4群で比較した結果:

用量ICAM-1(炎症マーカー)MCP-1(炎症マーカー)
1g/日-24%(p=0.026)-27%(p=0.024)
2g/日有意差なし有意差なし
4g/日有意差なし有意差なし

1g/日が最も効果的で、高用量(2g、4g)では追加効果なし。

「多く摂れば良い」ではない。むしろ、1g/日程度で十分で、4g/日は無駄という結果だ。

推奨用量

  • 一般的な健康維持: EPA + DHA で 1,000mg/日
  • 中性脂肪が高い場合: 2,000〜3,000mg/日(医師と相談)
  • うつ症状: EPA 1,000mg/日以下(EPA≧60%製剤)

上限は特に定められていないが、3g/日を超えると出血リスクが増加する可能性がある。

おすすめ製品

コスパ重視(TG型)

California Gold Nutrition オメガ3フィッシュオイル

トリグリセリド型。1粒でEPA 360mg + DHA 240mg。240粒入りで長持ち。

iherb.com

(Amazonと楽天では、同じ商品が見つからない場合があります)

高品質・EPA優位

Wiley's Finest Peak EPA

EPA 1,000mg + DHA 200mg。EPA優位でメンタル・炎症対策に。アラスカ産天然魚使用。

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プレミアム(Nordic Naturals)

Nordic Naturals Ultimate Omega

1粒でEPA 650mg + DHA 450mg。レモンフレーバーで飲みやすい。第三者検査済み。

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注意点

  • 魚臭い場合: 冷蔵保存、食事中に摂取
  • 血液凝固: 手術前は医師に相談(高用量の場合)
  • 酸化: 開封後は冷暗所で保存、賞味期限内に消費

まとめ

  1. 心血管・中性脂肪: 確実なエビデンスあり(特に中性脂肪15%減)
  2. うつ・メンタル: EPA≧60%、1g/日以下で効果
  3. 炎症: CRP、IL-6を有意に低下
  4. 形態: TG型が吸収率高い、EE型は食事と一緒に
  5. 目的で選ぶ: メンタルならEPA優位、認知ならDHA優位

関連成分

オメガ3と相性の良い成分や、一緒に摂取されることが多い成分を紹介します。

よくある質問

Q. EPAとDHAどちらを重視すべき?

目的で選びます。うつ・メンタル・炎症対策ならEPA優位、認知機能・脳の健康ならDHA優位。心血管なら両方含む製品でOKです。

Q. フィッシュオイルが魚臭いのはなぜ?対策は?

酸化が原因です。冷蔵保存し、食事中に摂取すると気になりにくいです。レモンフレーバー付きの製品もおすすめです。

Q. TG型とEE型の違いは?

TG型は天然の形態で吸収率が高く、食事なしでも吸収されます。EE型は安価ですが、脂肪を含む食事と一緒に摂る必要があります。

Q. オメガ3の適切な摂取量は?

一般的な健康維持ならEPA+DHAで1,000mg/日が目安です。興味深いことに、研究では1g/日が最も効果的で、高用量(4g/日)では追加効果がありませんでした。

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