プロテインの飲み方【タイミング・量・混ぜ方】効果サイズで検証

プロテインの飲み方【タイミング・量・混ぜ方】効果サイズで検証

「プロテインは筋トレ直後30分以内に飲まないと意味がない」

これ、信じてる人がまだ多い。

俺も昔は信じてた。ジムから帰宅する途中、シェイカーを振りながら歩いてたこともある。

でも2,907名・65研究のメタアナリシスを読んで、考えが変わった。

結論:タイミングは関係ない。1日の総量が全て。

今回は、プロテインの飲み方について効果サイズで検証していく。


結論を先に言う

忙しい人向けに、先に結論をまとめる。

疑問答え根拠
いつ飲む?いつでもいい65研究でタイミング効果なし
1回何g?30-45g1,081名の観察研究
1日何g?体重×1.6g以上49 RCTメタアナリシス
何で混ぜる?水でも牛乳でもOK好みで選ぶ

「筋トレ直後30分」にこだわる必要はない。1日トータルでタンパク質を確保することが最優先。


タイミング:いつ飲んでもいい

65研究・2,907名のメタアナリシス

2020年のWirthらのメタアナリシスが決定的。65研究、2,907名を対象に、タンパク質のタイミングと体組成・筋力の関係を分析した。

結論は明確だった。

“Subgroup analyses showed no beneficial effect of a specific timing of protein intake on LBM, handgrip strength, and leg press strength.”

(サブグループ分析で、タンパク質摂取のタイミングによる除脂肪体重・握力・レッグプレス筋力への有益な効果は確認されなかった)

タイミングは関係ない。

プロテイン補給で得られた効果:

アウトカム効果
除脂肪体重(成人)+0.62 kg
除脂肪体重(高齢者)+0.46 kg
筋力有意差なし

これらの効果は「いつ摂取したか」ではなく「どれだけ摂取したか」で決まっていた。

「アナボリックウィンドウ」は存在するか?

「筋トレ後30分〜2時間がゴールデンタイム」という話、聞いたことあるだろう。

これを直接検証したRCTがある。

34名の閉経後女性(平均60.9歳)を対象に8週間のトレーニングを実施。2グループに分けた:

  • 直後群: 筋トレ直後に30gホエイ、午後にマルトデキストリン
  • 午後群: 筋トレ直後にマルトデキストリン、午後に30gホエイ

結果:

アウトカム直後群午後群
除脂肪体重+0.8 kg+0.6 kg有意差なし
ベンチプレス1RM有意差なし
レッグエクステンション1RM有意差なし

直後に飲んでも、数時間後に飲んでも、結果は同じ。

「アナボリックウィンドウ」は、少なくとも長期的な筋肥大・筋力向上には影響しないと言える。


1回の量:30-45gが目安

1,081名の観察研究

Loennekeらの研究では、1,081名(50-85歳)を対象に、1食あたりのタンパク質摂取量と筋肉量・筋力の関係を分析した。

結果:

1食30g以上の回数脚除脂肪体重膝伸筋力
0回/日基準基準
1回/日+1,160g+23.6 N
2回/日+2,389g+51.1 N

1食30g以上を1日2回摂ると、筋肉量・筋力が最も高かった。

ただし、30-45gを超えると効果は頭打ちになった。100g一気に飲んでも、30gと比べてそこまで変わらない。

若年者と高齢者で必要量が違う

Mooreらの研究では、筋タンパク合成(MPS)を最大化するために必要なタンパク質量が、年齢によって異なることを示した。

年齢層MPS最大化に必要な量
若年男性(22歳)0.24 g/kg体重
高齢男性(71歳)0.40 g/kg体重

高齢者は若年者より約1.7倍のタンパク質が必要。

70kgの場合:

  • 若年者: 17g/食で十分
  • 高齢者: 28g/食必要

年齢が上がるほど、1食あたりの量を増やす必要がある。


1日の総量:1.6 g/kg以上

49 RCT・1,863名のメタアナリシス

最も重要なのは1日の総摂取量。

Mortonらの2018年メタアナリシスでは、49のRCT、1,863名を対象に分析した。

効果サイズ:

アウトカム効果95% CI
除脂肪体重+0.30 kg0.09-0.52
1RM筋力+2.49 kg0.64-4.33

そして重要なブレイクポイント分析:

“Protein supplementation beyond total protein intakes of 1.62 g/kg/day resulted in no further RET-induced gains in FFM.”

1.62 g/kg/日を超えると、追加効果は限定的。

ただし注意点がある。このブレイクポイントのp値は0.079で、統計的に有意ではない。信頼区間も1.03-2.20と広い。

つまり「1.6 g/kgで十分」と断言するにはエビデンスが弱い。

実践的な推奨

俺の考えはこうだ。

状況推奨摂取量
一般的なトレーニー1.6-2.0 g/kg/日
経験者・競技者2.0-2.4 g/kg/日
減量期(カロリー制限中)2.3-3.1 g/kg/日

俺は体重75kgで180g/日(2.4 g/kg)を目標にしている。

「1.6で十分」と言われても、信頼区間を考えると余裕を持って摂る方が合理的。詳しくはタンパク質の最適摂取量で解説している。


混ぜ方:水でも牛乳でもOK

吸収速度は変わるが、総量は同じ

プロテインを何で混ぜるか。結論から言うと、好みで選んでいい

水で混ぜると吸収が速く、牛乳で混ぜると遅くなる。ただし、最終的な総吸収量は同じ。

選び方の目安:

液体メリットデメリット向いている人
カロリーゼロ、吸収速い味が薄い減量中、シンプル派
牛乳味がマイルド、満腹感カロリー追加増量期、朝食代わり
豆乳植物性タンパク追加味の相性による乳製品避けたい人

俺は基本的に水派。理由は単純で、カロリー計算が楽だから。

溶かし方のコツ

プロテインがダマになる問題。これは順番で解決できる。

  1. 先に液体を入れる(水200-250ml)
  2. 後からプロテインを入れる
  3. シェイカーを振る(10-15秒)

逆にするとダマになりやすい。

あと、冷たい水より常温の方が溶けやすい。ただ、味は冷たい方がおいしいので、そこは好みで。


俺のプロテインの飲み方

参考までに、俺の飲み方を紹介する。

1日のスケジュール

時間帯内容タンパク質量
プロテイン30g + 水30g
鶏胸肉200g + 米45g
筋トレ後プロテイン30g + 水30g
夕食肉or魚 + 卵2個50g
足りなければ追加25g
合計180g

朝のプロテインは「タイミングの効果」を期待しているわけじゃない。単純に、朝食を準備する時間がない時のバックアップとして習慣化している。朝プロテインの効果サイズでも書いたが、朝に摂る意味は「総量確保」であってタイミングではない。

筋トレ後も同様。タイミングは関係ないと分かっているが、習慣として飲んでいる。習慣化しやすいタイミングを選ぶことに意味がある。

使っているプロテイン

コスパ重視で選んでいる。

味は好みがあるから試してみるしかないが、Gold Standardはハズレが少ない。コスパ重視で選ぶならプロテインおすすめランキングも参考にしてほしい。


よくある質問

Q: 筋トレしない日もプロテインは必要?

A: 必要。

筋肉の回復・合成は24-48時間続く。筋トレした翌日こそタンパク質が必要。

1日の総量(1.6 g/kg以上)を意識して、筋トレしない日も同じ量を摂るべき。

Q: 寝る前に飲んでいい?

A: 問題ない。

「寝る前に食べると太る」は迷信。1日の総カロリーが同じなら、いつ食べても同じ。

むしろ、寝る前にカゼインプロテインを飲む研究もある(吸収が遅く、夜間の筋分解を抑える)。

Q: 1回100g飲んでも大丈夫?

A: 大丈夫だが、効率は悪い。

吸収自体は問題ない。ただし、1回30-45gで筋タンパク合成は最大化するので、100g一気に飲むより3回に分けた方が効率的。

とはいえ、1日の総量が確保できるなら、分け方は好みで選んでいい。


まとめ

プロテインの飲み方について、エビデンスをまとめた。

タイミング

  • 65研究のメタアナリシスで「タイミング効果なし」が確定
  • 「筋トレ直後30分」にこだわる必要なし
  • 習慣化しやすいタイミングで飲めばいい

1食あたりの量

  • 30-45gで効果が最大化
  • 高齢者はやや多め(0.4 g/kg体重)が推奨
  • 100g一気に飲んでも問題ないが、効率は落ちる

1日の総量

  • 1.6 g/kg/日がブレイクポイント
  • トレーニング経験者は2.0 g/kg以上推奨
  • 減量期は2.3-3.1 g/kg必要

混ぜ方

  • 水でも牛乳でもOK
  • 好みで選ぶ
  • 先に液体、後からプロテインでダマ防止

結局、1日の総量を確保することが最優先。タイミングや混ぜ方にこだわる前に、まず1日1.6 g/kg以上を達成することに集中しよう。


今回紹介したサプリ

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竹内 翔

効果サイズ原理主義者。エビデンスあっても効果サイズ小さいなら優先度は下がると考える。プロテイン、クレアチン、EAAがメインだが、効果サイズを基準に幅広く評価。

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