レスベラトロールの効果と選び方【効果サイズはほぼゼロ?】 (Resveratrol)

レスベラトロールサプリの効果を論文に基づいて正直に解説。メタアナリシスでは心血管リスク因子に効果なし。糖尿病患者のみに限定的な効果。

📊 エビデンスサマリー

心血管リスク因子に効果なし(メタアナリシス)。死亡率との関連なし。糖尿病患者のみ血糖改善。バイオアベイラビリティが低い。

エビデンスレベル: 非常に低(専門家の意見)

形態別比較

形態 吸収率 特徴 おすすめ用途
トランスレスベラトロール 活性型、標準的な形態 試したい人向け
天然レスベラトロール ポリゴナム由来 コスパ重視

レスベラトロールとは

レスベラトロールは赤ワインに含まれるポリフェノール。「フレンチパラドックス」(フランス人は脂肪摂取が多いのに心疾患が少ない)の理由として注目された。

しかし、メタアナリシスの結果は期待外れ。効果サイズはほぼゼロ。

心血管リスク因子への効果:なし

2015年メタアナリシス(10 RCT)

Sahebkarらのメタアナリシスの結果:

アウトカム効果p値
CRP有意差なし0.731
総コレステロール有意差なし0.859
LDLコレステロール有意差なし0.948
中性脂肪有意差なし0.866
血糖有意差なし0.703
血圧有意差なし0.868
HDLコレステロール悪化(-4.18 mg/dL)0.001

“This meta-analysis does not suggest any benefit of resveratrol supplementation on CV risk factors.”

死亡率との関連:なし

InCHIANTI研究(9年追跡)

Sembaらの前向きコホート研究は、783名を9年間追跡。

結果: レスベラトロール摂取量と死亡率に関連なし(p=0.67)

炎症マーカー(CRP、IL-6等)、心血管疾患、がんとも関連なし。

糖尿病患者では効果あり

血糖コントロールメタアナリシス

Liuらのメタアナリシス(11 RCT、388名):

対象空腹時血糖インスリンHbA1c
糖尿病患者改善改善改善
健常者効果なし効果なし効果なし

糖尿病患者のみに効果。健常者には効果なし。

バイオアベイラビリティの問題

Vitaglioneらの研究が示す問題:

  1. 遊離レスベラトロールはほぼ検出されない - 急速に代謝
  2. 血中に残るのは抱合体(代謝物) - 活性は不明
  3. 個人差が大きい - 吸収率にばらつき

“食事からのレスベラトロール摂取の健康効果には疑問がある”

赤ワインでは効果を得られない

目的必要用量赤ワイン換算
血圧低下150mg/日75-300杯/日
CRP低下500mg/日250-1000杯/日

アルコールの害が効果を遥かに上回る。

効果サイズまとめ

アウトカム効果サイズ評価
死亡率効果なし★☆☆☆☆
心血管リスク因子効果なし★☆☆☆☆
血糖(糖尿病)効果あり★★★☆☆
血糖(健常者)効果なし★☆☆☆☆
HDL悪化☆☆☆☆☆

おすすめ製品

注意: 効果サイズがほぼゼロのため、積極的には推奨しません。試したい方向け。

トランスレスベラトロール

California Gold Nutrition トランスレスベラトロール

イタリア産。200mg。トランス型の活性形態。

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天然レスベラトロール

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正直な結論

レスベラトロールは推奨しない。

  1. 心血管リスク因子に効果なし - メタアナリシスで明確
  2. 死亡率との関連なし - 前向きコホートで否定
  3. バイオアベイラビリティが低い - 経口摂取ではほぼ吸収されない
  4. 糖尿病患者のみ限定的な効果 - 健常者には無意味
  5. HDLがむしろ低下 - メタアナリシスで有意

「フレンチパラドックス」はレスベラトロール以外の要因(食事パターン、ライフスタイル)によるものと考えられる。

関連成分

レスベラトロールと一緒に摂られることが多いアンチエイジング成分です。

  • NMN - David Sinclair推奨の組み合わせ。ただし両方ともヒトでは効果未証明
  • ケルセチン - フラボノイドの仲間。抗炎症・抗酸化作用
  • CoQ10 - ミトコンドリアサポート。エネルギー産生に
  • クルクミン - 抗炎症ポリフェノール。吸収率に注意

まとめ

  1. 効果サイズはほぼゼロ
  2. 心血管リスク因子に効果なし
  3. 糖尿病患者のみ血糖改善
  4. バイオアベイラビリティが低い
  5. 赤ワインでは効果を得られない
  6. 正直に推奨しない

よくある質問

Q. レスベラトロールは本当に効果がある?

正直に言うと、メタアナリシスで心血管リスク因子への効果はなく、死亡率との関連もありませんでした。糖尿病患者のみに血糖改善効果がありますが、健常者には推奨しません。

Q. 赤ワインでレスベラトロールは摂れる?

赤ワインには含まれますが、効果を得るには1日75〜1000杯必要という計算になり、現実的ではありません。アルコールの害が効果を遥かに上回ります。

Q. NMNと一緒に摂るべき?

David Sinclairが推奨した組み合わせですが、両方ともヒトでのアンチエイジング効果は未証明です。試すなら過度な期待はせず、自己責任で。

Q. レスベラトロールのバイオアベイラビリティが低いとは?

経口摂取したレスベラトロールは急速に代謝され、血中に遊離形態ではほとんど残りません。これが効果が出にくい一因と考えられています。

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  • 三島 誠一

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    論文原理主義者。PubMed、Examine.comを週末に巡回するのが娯楽。メタアナリシス・RCTまで読み、成分フォームと生体利用率を重視する。 おすすめを見る →
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    竹内 翔

    効果サイズ原理主義者。エビデンスあっても効果サイズ小さいなら優先度は下がると考える。プロテイン、クレアチン、EAAがメインだが、効果サイズを基準に幅広く評価。 おすすめを見る →
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    結城 優衣

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