マグネシウムサプリの種類と選び方【吸収率で比較レビュー】 (Magnesium)

マグネシウムサプリの種類を吸収率・エビデンスで比較。グリシン酸、クエン酸、酸化物の違いを論文に基づいて解説。

📊 エビデンスサマリー

有機塩(クエン酸、グリシン酸)は無機塩(酸化物)より吸収率が高い。酸化マグネシウムはRCTでプラセボと有意差なし。

エビデンスレベル: 中(RCT・システマティックレビュー)

形態別比較

形態 吸収率 特徴 おすすめ用途
グリシン酸(ビスグリシネート) アミノ酸キレート、胃腸への負担が少ない 睡眠、リラックス
クエン酸 溶解性が高い、研究データが最も豊富 汎用、便秘傾向の人
L-トレオン酸 血液脳関門を通過 認知機能
タウリン酸 心血管系に好まれる 心臓の健康
酸化物 安価だが吸収率4〜10%、下剤効果あり 便秘薬として(サプリ非推奨)

なぜマグネシウムの「形態」が重要なのか

マグネシウムサプリを選ぶとき、多くの人が見落としがちなのが「形態」の違いだ。同じ「マグネシウム」でも、結合している化合物によって吸収率が大きく異なる。

2021年のシステマティックレビューでは、14の研究をレビューした結果、無機塩は有機塩より生体利用率が低いことが確認されている。

酸化マグネシウムの問題点

日本で最も流通しているのは酸化マグネシウム(酸化Mg)だ。安価で含有量が多いため一見お得に見えるが、吸収率は4〜10%程度と極めて低い。

Walker AFらの2003年のRCTでは、46人を対象に60日間、300mg/日のマグネシウムを投与。結果は衝撃的だった:

  • クエン酸マグネシウム:血清Mg濃度が有意に上昇(P=0.006)
  • アミノ酸キレート:血清Mg濃度が有意に上昇(P=0.033)
  • 酸化マグネシウム:プラセボと有意差なし

つまり、酸化マグネシウムを飲んでも、何も飲まないのとほとんど変わらない可能性がある。

クエン酸 vs グリシン酸:どちらを選ぶべきか

クエン酸マグネシウム

Lindbergらの1990年の研究では、クエン酸マグネシウムは水でも55%溶解し、酸化物(43%)より優れた溶解性を示した。

メリット:

  • 研究データが最も豊富
  • 溶解性が高い
  • 比較的安価

デメリット:

  • 緩下作用があり、お腹が緩くなる人も

グリシン酸マグネシウム(ビスグリシネート)

アミノ酸のグリシンと結合した形態。胃腸への負担が少なく、グリシン自体にもリラックス効果がある。

メリット:

  • 胃腸に優しい
  • グリシンの鎮静作用
  • 睡眠改善に向いている

注意点: 2024年の最新研究では、単回投与でビスグリシネートは血中Mg濃度の有意な上昇を示さなかった。ただし、これは急性試験であり、長期的な効果は異なる可能性がある。

用量と摂取タイミング

Schuchardtらのレビュー(2017年)によると:

  • 分割投与が効率的: 1日1回より、2〜3回に分けた方が吸収率が高い
  • 過剰摂取は無意味: Mgは体内に貯蔵できず、余剰は排泄される
  • 上限量: 成人で350mg/日(サプリメントから)

睡眠へのエビデンス

2021年のメタアナリシスでは、高齢者を対象とした3つのRCT(151人)を分析:

  • 入眠時間: Mg群はプラセボより17.36分短縮(95%CI -27.27〜-7.44、P=0.0006)
  • 総睡眠時間: 16.06分改善(統計的有意差なし)

睡眠目的なら、グリシン酸マグネシウムを就寝1〜2時間前に摂取するのが合理的だ。

おすすめ製品

汎用・コスパ重視

NOW Foods クエン酸マグネシウム

研究データ豊富なクエン酸形態。1カプセル133mg。

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睡眠・リラックス目的

California Gold Nutrition ビスグリシン酸マグネシウム

胃腸に優しいグリシン酸形態。グリシンの鎮静作用も期待。

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認知機能目的

Life Extension Neuro-Mag L-トレオン酸マグネシウム

血液脳関門を通過。認知機能研究で使用される形態。

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まとめ

  1. 酸化マグネシウムは避ける - 吸収率が低く、RCTでプラセボと有意差なし
  2. 汎用: クエン酸マグネシウム(研究が多い、安価)
  3. 睡眠: グリシン酸マグネシウム(胃腸に優しい、グリシンの鎮静作用)
  4. 認知機能: L-トレオン酸マグネシウム(脳への移行性)
  5. 分割投与がおすすめ(1日2〜3回)

関連成分

マグネシウムと相性の良い成分や、一緒に摂取されることが多い成分を紹介します。

  • グリシン - グリシン酸マグネシウムはこの2つを組み合わせた形態。睡眠改善の相乗効果
  • L-テアニン - リラックス効果で睡眠をサポート。マグネシウムとの併用が人気
  • ビタミンD - マグネシウムはビタミンDの代謝に必要。セットで摂ると効果的
  • 亜鉛 - 睡眠・免疫サポートでよく併用されるミネラル

よくある質問

Q. マグネシウムはいつ飲むのがベスト?

睡眠目的なら就寝1〜2時間前がおすすめです。吸収率を高めるには、1日2〜3回に分けて摂取するのが効果的です。

Q. 酸化マグネシウムはなぜ避けた方がいい?

吸収率が4〜10%と非常に低く、RCT(ランダム化比較試験)でプラセボと有意差がなかったという研究結果があります。クエン酸やグリシン酸など有機塩を選びましょう。

Q. マグネシウムの副作用は?

過剰摂取でお腹が緩くなることがあります。特にクエン酸マグネシウムは緩下作用があります。グリシン酸マグネシウムは胃腸に優しい形態です。

Q. マグネシウムとカルシウムは一緒に摂っていい?

はい、問題ありません。むしろ両方のバランスが大切です。カルシウム:マグネシウム=2:1程度が理想的とされています。

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