クレアチンの効果と選び方【筋力から認知機能まで】 (Creatine Monohydrate)

クレアチンサプリの効果を論文に基づいて解説。筋力増強はAランク、認知機能は小〜中程度の効果。最もエビデンスが豊富なサプリの一つ。

📊 エビデンスサマリー

筋力増強はAランク(最も確実なエビデンス)。認知機能は記憶・注意・処理速度で小〜中程度の効果(SMD 0.3-0.5)。安全性も確立。

エビデンスレベル: 高(メタアナリシス・複数RCT)

形態別比較

形態 吸収率 特徴 おすすめ用途
モノハイドレート(パウダー) 最も研究が多い、安価、純度が高い 汎用(推奨)
モノハイドレート(カプセル) 携帯しやすい、計量不要 利便性重視
クレアルカリン pH調整、モノハイドレートより優位性なし 非推奨
HCL(塩酸塩) 少量で効く説あり、エビデンス少ない 胃腸が弱い人

クレアチンとは

クレアチンは、体内で自然に生成されるアミノ酸の一種。筋肉のエネルギー源であるATPの再合成に必須で、高強度運動のパフォーマンスを向上させる。

サプリメントの中で最もエビデンスが豊富な成分の一つ。筋力増強効果はExamine.comで「Aランク」(最高ランク)の評価を受けている。

筋力・筋肉への効果(Aランク)

筋トレ愛好家にとってクレアチンは「必須」と言っても過言ではない。

効果サイズ

  • 筋力増加: 最大で10-15%向上
  • 除脂肪体重: 1-2kg増加(水分含む)
  • パワー出力: 高強度運動で顕著に向上

これは数百の研究で一貫して確認されており、エビデンスレベルは最高。

認知機能への効果(新しいエビデンス)

クレアチンは脳にも存在し、脳のエネルギー代謝にも関与している。

2024年のメタアナリシス

Xu et al.のメタアナリシスは、16のRCT(492名)を分析。

認知領域効果サイズ (SMD)判定
記憶機能0.31✅ 有意
注意時間-0.31✅ 有意
処理速度-0.51✅ 有意
全体的認知機能0.34❌ 非有意
実行機能0.32❌ 非有意

効果サイズ0.3-0.5は「小〜中程度」。筋肉への効果(大)と比べると控えめだが、無視できない水準。

誰に効きやすい?

サブグループ分析では:

  • 18-60歳: 効果あり
  • 60歳超: 効果減弱
  • 女性: 処理速度でより大きな効果(SMD -0.87)
  • 疾患患者: 健康成人より効果が出やすい

睡眠不足時の効果

2024年のRCTでは、21時間の睡眠不足後に高用量クレアチン(0.35g/kg)を摂取。

  • 脳内ホスホクレアチンが上昇
  • 主観的疲労感が軽減
  • 処理速度と短期記憶が改善
  • 効果は4時間後にピーク、最大9時間持続

結論: 睡眠不足などの「代謝ストレス」下では認知機能保護効果が出やすい。

モノハイドレート一択

クレアチンには様々な形態があるが、モノハイドレートが唯一推奨される。

形態研究数効果コスト評価
モノハイドレート数百確実安い⭐⭐⭐⭐⭐
クレアルカリン少ない優位性なし高い⭐⭐
HCL少ない不明高い⭐⭐
エチルエステル少ない劣る可能性高い

「進化型クレアチン」を謳う製品が多いが、モノハイドレートを超えるエビデンスを持つものは存在しない

用量と摂取方法

ローディングプロトコル(任意)

  • 20g/日を5-7日間(4回に分けて)
  • その後、3-5g/日で維持

メンテナンスプロトコル(推奨)

  • 最初から3-5g/日を毎日
  • ローディングなしでも2-4週間で飽和

タイミング: いつでもOK。食事と一緒に摂ると吸収がやや良い。

おすすめ製品

パウダー(コスパ最強)

NOW Foods クレアチンモノハイドレート 1kg

1kgで約200回分。最もコスパが良い。

iherb.com

(Amazonと楽天では、同じ商品が見つからない場合があります)

パウダー(Optimum Nutrition)

安全性

クレアチンは最も安全性が研究されたサプリメントの一つ。

  • 腎臓への影響: 健康な人では問題なし(長期研究で確認)
  • 脱水: 神話。むしろ細胞内水分が増える
  • 体重増加: 水分貯留による。脂肪ではない

注意: 既存の腎臓疾患がある場合は医師に相談。

関連成分

クレアチンと併用されることが多いトレーニングサポート成分です。

  • プロテイン - 筋タンパク質合成の材料。クレアチンと併用でパフォーマンス最大化
  • BCAA - 筋分解を抑制し回復をサポート。トレーニング中の摂取に
  • シトルリン - 血流を改善しパンプ感を向上。クレアチンとは異なるメカニズム
  • マグネシウム - ATP産生とエネルギー代謝をサポート

まとめ

  1. 筋力増強はAランク - 最もエビデンスが確実
  2. 認知機能は小〜中程度 - 記憶・注意・処理速度で効果
  3. モノハイドレート一択 - 他の形態に優位性なし
  4. 3-5g/日で十分 - ローディングは任意
  5. 安全性は確立 - 長期使用でも問題なし
  6. 筋トレ民なら必須 - 脳への「おまけ」効果も期待

よくある質問

Q. クレアチンのローディングは必要?

必須ではありません。3-5g/日を毎日摂取すれば、2-4週間で筋肉内濃度は飽和します。ローディング(20g/日×5-7日)は早く効果を出したい場合のオプションです。

Q. クレアチンで体重が増えるのはなぜ?

クレアチンは筋肉内に水分を引き込むため、1-2kgの体重増加が起こります。これは脂肪ではなく水分なので心配不要です。

Q. クレアチンは腎臓に悪い?

健康な人では問題ありません。長期研究でも腎機能への悪影響は確認されていません。ただし、既存の腎臓疾患がある場合は医師に相談してください。

Q. クレアチンはいつ飲むのがベスト?

タイミングは厳密でなくてOKです。食事と一緒に摂ると吸収がやや良くなります。トレーニング前後にこだわる必要はありません。

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