Zone 2だけでVO2 Maxは足りる?4分×4本インターバルとの差
VO2 Max を伸ばしたいなら、Zone 2 だけで十分か。
この問いは、Peter Attia 以降かなり増えた。
- Zone 2 を長くやれ
- でも VO2 Max は寿命を強く予測する
- だから 4分×4本も必要
ここ、雰囲気で語られやすい。
PubMed を並べると、答えはもっと現実的だ。
- Zone 2 だけでも伸びる
- でも 最大化したいなら 4x4 系を混ぜた方が有利
- ただし差は「全部ひっくり返る」ほどではなく、だいたい 1-2 mL/kg/min の上積み
竹内の結論はこれだ。
Zone 2だけで“足りる”人はいる。でも、VO2 Max を本気で伸ばすなら 4x4 を1本入れた方が数字はきれい。
先に結論
| 論点 | 数字 | 竹内の評価 |
|---|---|---|
| HIIT vs MICT(一般 sedentary) | +1.39 mL/kg/min | 少し HIIT 有利 |
| 4x4 classic trial | +7.2% | かなり強い |
| 中高年 | +1.10 mL/kg/min | interval 有利 |
| 女性 | 両方 +3.2 前後、差なし | 好みで選べる |
| interval の形 | long-HIIT > short-HIIT | 4x4 に追い風 |
Zone 2は無意味じゃない。
でも、VO2 Max 最大化だけを見るなら 4x4 側に少し分がある。
一般の座りがちな成人では、HIIT は MICT より少し有利
2026年の Cochrane review は、健康だが sedentary な成人が対象だ。58 RCTs、2,075人 をまとめている。
VO2max の結果はこうだ。
- HIIT vs no exercise: +5.98 mL/kg/min
- HIIT vs MICT: +1.39 mL/kg/min(95% CI 0.44 to 2.34)
ここで大事なのは、HIIT が MICT より 少し 有利という点だ。
この差はゼロではない。でも、「Zone 2では全然伸びない」と言うほどでもない。
だから「Zone 2だけで足りるか?」への最初の答えは、
足りる人はいる。でも、最適化したいなら高強度を足した方がいい
になる。
4分×4本は、実際にかなり伸びる
4x4 の古典は Helgerud 2007 だ。
健康な中程度に鍛えた男性 40名 を、次の4群に分けている。
- long slow distance: 70% HRmax
- lactate threshold: 85% HRmax
- 15/15 interval: 90-95% HRmax
- 4 x 4 min: 90-95% HRmax + 3分 active rest
頻度は 週3回、8週間。
結果はかなりわかりやすい。
- 4x4 群: 55.5 → 60.4 mL/kg/min
- 増加率: +7.2%
- 15/15 群: +5.5%
- しかも 4x4 を含む高強度群は、70%HRmax や 85%HRmax より 有意に優れていた
ここから見えるのは単純だ。
4x4 は、Zone 2寄りの低強度より VO2 Max を押し上げやすい。
もちろんこの trial は男性40名で、一般人口すべてにそのまま当てはめるのは雑だ。でも、4x4 が流行った理由はちゃんとある。
中高年でも、interval 側が少し勝つ
2021年の systematic review and meta-analysis は、中高年が対象だ。14 studies, 429 participants をまとめている。
VO2max 改善はこうだった。
- interval training within-group: +2.26 mL/kg/min
- MICT within-group: +1.34 mL/kg/min
- between-group: interval training が +1.10 mL/kg/min 優位
ここでも、勝ち方は同じだ。
- HIIT が圧勝 ではない
- でも 少し HIIT が強い
VO2 Max は寿命や心血管リスクと関連する指標だから、+1 mL/kg/min でも積み上げとしては意味がある。
ただし、女性ではほぼ互角
2023年の女性対象メタ は、ここにいいブレーキをかけてくれる。
結果は、
- MVICT vs HIIT between-group: MD -0.42 mL/kg/min
- MVICT within-group: +3.20 mL/kg/min
- HIIT within-group: +3.16 mL/kg/min
で、差なし。
この論文が面白いのは、別の示唆も出していることだ。
long-HIIT は short-HIIT より VO2 Max 改善に有利
つまり、
- 20秒全力を何本もやる
より、
- 4分前後の長め interval
の方が、VO2 Max 文脈では筋がいい。
4x4 が支持されやすいのはここだろう。
「Zone 2が最強」説は、VO2 Max 文脈ではかなり怪しい
これは前の Zone 2 の記事 でも触れた。2025年の narrative review は、一般人口に Zone 2 を「最適」と推すのは危ないと整理している。
要点はこうだ。
- Zone 2 推しの根拠は、エリート持久系の大容量トレーニングに偏る
- 一般人はそこまで量を積めない
- 低い総量しか確保できないなら、高強度の優先順位が上がる
これは VO2 Max の話とかなり相性がいい。
VO2 Max を上げたいのに、
- 週2回しか有酸素をやらない
- 1回30-40分しか取れない
なら、Zone 2 だけで勝負するのはもったいない。
じゃあ、Zone 2 はいらないのか
そこは違う。
Zone 2 にも意味はある。
- 疲労が少ない
- 本数を積みやすい
- 回復を壊しにくい
- 長く続けやすい
しかも 2025年の meta-regression では、VO2max は ET, HIT, SIT で similar と整理されている。ただし HIT がやや大きい傾向だった。
つまり、
- Zone 2 でも伸びる
- ただし 少し高強度が有利
という位置づけだ。
だから二択で考えるより、
- 土台は Zone 2
- 上積みは 4x4
の方が実務的にはきれい。
竹内ならどう組むか
VO2 Max を本気で上げたいなら、俺ならこうする。
- Zone 2 を週2-3回
- 4x4 を週1回
- 残りは筋トレや休養に回す
理由は単純で、
- Zone 2 は量を積みやすい
- 4x4 は VO2 Max 刺激として強い
- 両方やった方が役割分担がきれい
逆に、
- 有酸素の時間が週1-2回しかない
なら、Zone 2 だけで終えるより 4x4 を優先 した方が数字は伸びやすいだろう。
高強度インターバルを回すなら、こういう定番は相性がいい。
4x4 のような高強度セッションを回すなら定番。VO2 Maxそのものを直接上げる成分ではないが、反復高強度の質を落としにくくする補助としては筋がいい。
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竹内の結論
Zone 2 と 4x4 を VO2 Max の数字で整理すると、こうなる。
- Zone 2だけでも VO2 Max は伸びる
- ただし 4x4 を含む HIIT の方が、平均で 1-2 mL/kg/min ほど有利
- 4x4 は classic trial で +7.2% とかなり強い
- だから「Zone 2だけで足りるか?」には、足りるけど最適ではない が答え
最終評価はこれだ。
寿命指標として VO2 Max を本気で伸ばしたいなら、Zone 2 ベースに 4x4 を1本混ぜるのが一番合理的だろう。
