Long COVID時代の働き方、疲労とブレインフォグへの対処法を学際的ガイダンスから学ぶ
柔軟な働き方とウェルビーイングについて書いた。
でも、中には「柔軟に働きたくても、体が言うことを聞かない」という人もいるかもしれない。
Long COVID(コロナ後遺症)で疲労やブレインフォグに悩んでいる人。そういう人にとっての「働き方」は、また別の話になる。
Long COVIDとは
アメリカのPhysical Medicine and Rehabilitation学会が、40以上のLong COVIDセンターの専門家と協力して作成したもの。
Long COVIDの定義:
SARS-CoV-2感染後に発生し、連続的、再発性、または進行性の疾患状態として少なくとも3ヶ月間存在する感染関連慢性疾患
つまり、コロナにかかった後、3ヶ月以上症状が続いている状態。
有病率
世界で**約6%**がLong COVIDを経験しているとされている。
高リスク群:
- 女性
- 特定の人種・民族グループ
- 非都市部在住者
ただし、誰でも発症する可能性がある。
最も一般的な症状
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| 疲労・エネルギー低下 | 強い疲労感、活動できる時間帯が限られる |
| 労作後倦怠感(PEM) | 活動後に症状が悪化する |
| 認知機能障害(ブレインフォグ) | 集中力低下、言葉が出にくい |
| 自律神経障害 | 起立性頻脈、温度調節の問題 |
| 痛み・筋肉痛 | 全身の痛み |
| 嗅覚・味覚の変化 | においや味が分かりにくい |
特に働く上で問題になるのは、疲労とブレインフォグだと思う。
「無理をすると悪化する」という特徴
Long COVIDで最も重要なのは、**労作後倦怠感(PEM: Post-Exertional Malaise)**という症状。
活動した後に症状が悪化する。普通の「疲れ」とは違う。
- 普通の疲れ:休めば回復する
- PEM:無理をすると数日間悪化する
ガイダンスでは、こう警告している:
“Physical activity recommendations must be carefully tailored to the patient’s current activity tolerance because overly intense activity can trigger PEM and worsened muscle damage.” (身体活動の推奨は、患者の現在の活動耐性に合わせて慎重に調整する必要がある。強度の高い活動はPEMと筋肉ダメージの悪化を引き起こす可能性がある)
つまり、「頑張れば回復する」ではない。
Pacing(ペース配分)という考え方
ME/CFS(慢性疲労症候群)のPacingに関するスコーピングレビューがある。
Long COVIDはME/CFSと症状が似ているため、同じアプローチが参考になる。
Pacingとは:
- 活動を調整してPEMを避けるエネルギー管理戦略
- 17の研究のうち11がPacingの効果を報告
具体的には:
1. 「50%ルール」
できると思う量の半分にする。
「今日は調子がいいから、たくさん仕事しよう」と思ったときこそ危険。その日は良くても、翌日以降にPEMが来ることがある。
2. 活動日記をつける
- 何をしたか
- どのくらいの時間
- その後の体調
これを記録すると、自分の「エネルギー窓」(活動できる時間帯)が見えてくる。
3. 休憩を先取りする
疲れる前に休む。
「まだ大丈夫」と思っているときに休むのがポイント。疲れてから休んでは遅い。
4. 認知的な作業と身体的な作業を分散
ブレインフォグがあると、長時間の集中作業は辛い。
- 午前中に集中力が必要な作業
- 午後は単純作業や休憩を多めに
私も、ヨガのレッスンがある日は、午前中にWeb制作の難しい作業を終わらせるようにしている。
「見えない障害」という問題
ガイダンスでは、復職の難しさについても触れている:
“Return-to-work process for individuals with Long COVID can be challenging because symptoms can fluctuate, vary in nature, affect multiple functional areas, and often manifest as an ‘invisible disability’ that may not be readily acknowledged by employers or coworkers.”
症状が変動し、目に見えないから、周囲に理解されにくい。
「元気そうに見えるのに、なぜ休む必要があるの?」と思われてしまう。
認証されることの大切さ
ガイダンスでは、こうも述べている:
“It is essential to validate the patient’s experience and provide reassurance that their symptoms are being taken seriously because many patients have had their symptoms dismissed by loved ones and clinicians.”
多くの患者が、家族や医療者に症状を否定されてきた。だから、症状を真剣に受け止めてもらえることが大切。
もしあなたの周りにLong COVIDで苦しんでいる人がいたら、まずは信じてあげてほしい。
フリーランスならではの工夫
私はフリーランスのWebデザイナー。自分で働き方を調整できる。
これは、Long COVIDの人にとっては大きなアドバンテージかもしれない。
1. 納期に余裕を持たせる
クライアントとの交渉で、少し長めの納期を設定する。
「2週間でできます」と言いたくなっても、「3週間いただけますか」と言う。
余裕があれば、調子が悪い日があっても対応できる。
2. 午前・午後で作業を分ける
私の場合、午前中の方が集中力がある。
午前:コーディングやデザインなど集中力が必要な作業 午後:メール対応、簡単な修正、休憩
3. 週のリズムを作る
木曜・金曜はヨガスタジオで対面レッスン。月〜水は自宅作業。
このリズムがあると、エネルギー配分がしやすい。
4. 断る勇気
体調が悪いときは、新規案件を断る。
「今は余裕がないので、来月以降でよければ」と言う。
職場での配慮を求める
会社員の場合、職場に配慮を求めることが必要になるかもしれない。
ガイダンスでは、以下の点を挙げている:
-
適切な職場配慮(アコモデーション)を特定する
- 在宅勤務
- フレックスタイム
- 休憩時間の確保
- 業務量の調整
-
必要な文書を提供する
- 医師の診断書
- 必要な配慮の具体的な記載
-
作業療法・職業療法の活用
- 復職支援の専門家に相談
Long COVIDは、アメリカでは**ADA(障害者差別禁止法)**で障害として認められている。日本でも、合理的配慮を求める権利がある。
まとめ
Long COVID時代の働き方:
研究からわかったこと
- 世界の約6%がLong COVIDを経験
- 疲労・ブレインフォグ・労作後倦怠感(PEM)が仕事に影響
- 無理をすると悪化する(「頑張れば回復」ではない)
- Pacing(ペース配分)が管理の基本
実践できること
- 「50%ルール」:できると思う量の半分にする
- 活動日記で自分のパターンを把握
- 休憩を先取りする
- 認知的作業と身体的作業を分散
- 職場に配慮を求める
もしあなたがLong COVIDで苦しんでいるなら、あなたの症状は本物。
そして、無理をしないことは怠けではない。エネルギーを管理して、続けられる働き方を見つけることが、回復への道。
続けられることが、私にとっては最強のエビデンス。
Long COVIDでも、それは同じだと思う。
Long COVIDの疲労をサポートするかもしれないもの
医師の治療が優先。その上で補助的に検討できるサプリ。
炎症調節に関与。ただし、Long COVIDへの効果は検証されていない。
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免疫調節に関与。欠乏している場合は補給の意味がある。
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疲労時に消耗しやすい。神経系のサポートに。
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