腸活を続けて1年、発酵食品とプロバイオティクスサプリの使い分け方
「腸活」という言葉を聞かない日はないくらい、腸内環境への関心が高まっている。
私も1年前から腸活を意識するようになった。きっかけは、なんとなくお腹の調子が悪い日が続いたこと。病院に行くほどではないけど、すっきりしない日々が続いて。
「発酵食品がいいらしい」「プロバイオティクスサプリがいいらしい」といろいろ聞くけど、結局どっちを選べばいいの?と思う人も多いのではないかな。
今日は、1年間腸活を続けてきた私なりの「使い分け」を、エビデンスを踏まえながら書いてみようと思う。
プロバイオティクスのエビデンスを調べてみた
まず、PubMedで最新のエビデンスを調べてみた。
メタアナリシス: Goodoory et al., 2023
Gastroenterology誌に掲載されたメタアナリシスでは、82のRCT(ランダム化比較試験)、計10,332名のデータを分析している。
これは過敏性腸症候群(IBS)に対するプロバイオティクスの効果を調べた研究。結果は:
- 全体症状への効果: Escherichia株で中程度の確信度、Lactobacillus株で低確信度
- 腹痛への効果: Bifidobacterium株で低確信度
- 副作用: プラセボと有意差なし(7,000名以上のデータ)
結論として:
“Some combinations of probiotics or strains may be beneficial in IBS. However, certainty in the evidence for efficacy by GRADE criteria was low to very low across almost all of our analyses.”
つまり、「効果があるかもしれないけど、エビデンスの確信度は低い」ということ。
発酵食品の研究: Dimidi et al., 2019
Nutrients誌のレビューでは、発酵食品全般の効果を検証している。
面白いのは、RCT(ランダム化比較試験)が存在する発酵食品とそうでないものがあるという指摘:
- RCTあり: ケフィア、ザワークラウト、納豆、サワードウ
- RCTなし: コンブチャ、味噌、キムチ、テンペ
つまり、「発酵食品は体にいい」とよく言われるけど、実際に人間での研究があるものは限られている。
結論として:
“There is very limited clinical evidence for the effectiveness of most fermented foods in gastrointestinal health and disease.”
「ほとんどの発酵食品について、消化器系の健康への効果を示す臨床エビデンスは非常に限られている」
「エビデンス弱い」と感じる理由
ここまで読むと「え、効かないの?」と思うかもしれない。
でも、私が「弱い」と感じるのは、「効果がない」からじゃなくて、研究の限界があるから。
1. 菌株特異性が高すぎる
プロバイオティクスは「この菌が効く」という単純な話じゃない。同じ種でも、菌株が違えば効果が違う。
例えば、Lactobacillus rhamnosusという種の中でも、GG株とR0011株では効果が異なる可能性がある。
だから「乳酸菌サプリ」と一括りにしても意味がなくて、どの菌株かが重要。
2. 個人差が大きい
腸内細菌叢は人によって全然違う。同じサプリを飲んでも、効く人と効かない人がいるのは当然。
自分に合う菌株を見つけるのは、ある意味「実験」になる。
3. 発酵食品のRCTが少ない
サプリは菌数やCFU(コロニー形成単位)が明確だから研究しやすい。
でも発酵食品は、製造方法や保存状態で中身が変わるから、研究が難しい。だからRCTが少ない。
私の使い分け: 発酵食品 vs サプリ
エビデンスは「弱い」かもしれない。でも、害がないことは確認されている。
82のRCTで副作用がプラセボと有意差なかったということは、少なくとも安全性は担保されている。
そこで、私なりの使い分けを決めた。
日常: 発酵食品中心
毎日の食事に発酵食品を取り入れている。
- 朝: 納豆ごはん(週3-4回)
- 昼or夜: 味噌汁
- おやつ: ヨーグルト(無糖)
発酵食品のいいところは、腸内環境以外の栄養も摂れること。
納豆ならタンパク質、ビタミンK2、ナットウキナーゼ。ヨーグルトならカルシウム、タンパク質。味噌なら大豆イソフラボン。
「プロバイオティクスだけ」じゃなくて、食事全体の質が上がる。
これが私にとっては大きい。
サプリを使う場面
とはいえ、サプリが便利な場面もある。
旅行中: 発酵食品が手に入りにくいとき。海外旅行では特に重宝する。
外食が続いたとき: 自炊できない日が続くと、どうしても発酵食品が減る。そんなときにサプリで補う。
お腹の調子が悪いとき: 何か原因があってお腹の調子が悪いとき、いつもより多めに摂りたくなる。そんなときはサプリを追加。
つまり、**発酵食品が「基本」、サプリが「補助」**という位置づけ。
発酵食品の具体的な取り入れ方
納豆: 最強の発酵食品
Kok & Hutkins, 2018のレビューによると、発酵食品の摂取は以下と関連している:
- 2型糖尿病リスク低下
- メタボリックシンドロームリスク低下
- 心疾患リスク低下
もちろんこれは観察研究なので、因果関係は不明。でも、納豆に含まれるナットウキナーゼ、ビタミンK2、ポリアミン(スペルミジン)など、注目成分は多い。
私の納豆の食べ方:
- 朝食に: ごはんにかけて。シンプルが一番
- 夜に食べることも: K2の骨への作用を考えると夜もアリ
- 週3-4回: 毎日じゃなくてもいい。続けられるペースで
ヨーグルト: 手軽さNo.1
ヨーグルトは最も研究が多い発酵食品の一つ。
Leeuwendaal et al., 2022のレビューでは、発酵食品の微生物が実際に腸に到達することが確認されている。
私のヨーグルトの選び方:
- 無糖を選ぶ: 砂糖入りは避ける
- プレーンに蜂蜜: 甘さが欲しいときは蜂蜜を少し
- 生きた菌: 「生きた乳酸菌」と書いてあるものを
味噌汁: 日本の腸活
味噌はRCTが少ないけど、日本の食文化として数百年の実績がある。
毎日の味噌汁に入れる具材で、食物繊維(プレバイオティクス)も一緒に摂れる。
- わかめ: 水溶性食物繊維
- きのこ: βグルカン
- 野菜: 食物繊維たっぷり
「発酵食品+食物繊維」の組み合わせが、腸内環境には良いと言われている。
サプリを選ぶなら
旅行用や補助用にサプリを選ぶなら、いくつかポイントがある。
CFU(菌数)よりも菌株
「100億CFU!」「500億CFU!」と菌数を競っているサプリが多いけど、菌株の種類の方が重要。
先述のメタアナリシスでも、特定の菌株(例: L. plantarum 299V)に効果が示唆されている。
胃酸耐性
プロバイオティクスは胃酸で死んでしまうことがある。胃酸耐性カプセルや、胃酸に強い菌株を選ぶと良い。
私が使っているサプリ
日常的には使っていないけど、旅行用に持っているのはこれ。
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コスパ重視で、複数の菌株が入っているものを選んでいる。
胃酸耐性にこだわるなら、EnteriCoated(腸溶性コーティング)のものも。
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1年続けて感じた変化
正直に言うと、「劇的な変化」は感じていない。
でも、お腹の調子が悪い日が減った気がする。以前は週に1-2回「なんかすっきりしない」と感じていたのが、月に数回くらいになった。
これがプラシーボなのか、本当の効果なのか、分からない。でも、三島には怒られそうだけど、プラシーボも効果のうちだと思ってる。
もう一つ大きいのは、食事の質が上がったこと。
腸活を意識すると、自然と:
- 発酵食品を選ぶ → 加工食品が減る
- 食物繊維を意識する → 野菜が増える
- 朝ごはんを食べる → 生活リズムが整う
「腸活」という入り口から、食生活全体が良くなった感じがする。
まとめ
腸活を1年続けて分かったこと:
- プロバイオティクスのエビデンスは「弱い」(確信度が低い)
- でも、安全性は確認されている(副作用なし)
- 発酵食品は「食事全体の質を上げる」メリットがある
- サプリは「補助」として使うのが私には合っている
エビデンスが強くないからといって、やらない理由にはならない。
調べた上で、害がないなら、好きなもの選んでいいと思う。
続けられることが、私にとっては最強のエビデンスだから。
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