令和で一番売れたレシピ本著者の健康ズボラ飯。塩分2.5g脂質20g以下で家族実践記

令和で一番売れたレシピ本著者の健康ズボラ飯。塩分2.5g脂質20g以下で家族実践記

前回、天野医師とウー・ウェンのスープ本を試して、野菜スープの効果を実感した。

でも、スープだけでは飽きる。

「主菜や丼も、健康的で美味しくて、しかも簡単に作りたい。」

そんなとき、SNSで『世界一美味しくて健康的なズボラ飯』という本を見つけた。

はらぺこグリズリー。前作『世界一美味しい手抜きごはん』は “令和で一番売れたレシピ本”。

今回の本は、全102レシピが塩分2.5g以下、脂質20g以下

「塩分控えめ、脂質控えめで本当に美味しいの?」

本を読んで、PubMedでエビデンスを調べてみた。そして、5歳の息子と3歳の娘と1週間、ズボラ飯生活を試してみた。

今回は、この本の内容と、塩分・脂質削減に関する最新のエビデンスを元に、ワーママ目線でレビューする。

本の概要:世界一美味しくて健康的なズボラ飯とは

『世界一美味しくて健康的なズボラ飯』は、手抜き料理研究家・はらぺこグリズリーが書いた本。KADOKAWAから2025年11月28日に出版された。

著者プロフィール

  • はらぺこグリズリー: 手抜き料理研究家
  • 第6回料理レシピ本大賞 料理部門大賞受賞
  • 累計100万部を超える出版実績
  • 前作: 『世界一美味しい手抜きごはん』は “令和で一番売れたレシピ本”
  • 開発期間: 6年、400品以上の試作

本の内容

本で紹介されているのは:

  • 全102レシピ
  • 塩分: 2.5g以下/食
  • 脂質: 20g以下/食
  • 監修: 管理栄養士・松丸奨
  • 調味料: 通常の調味料のみを使用

メニュー例:

  • 豚キム丼
  • スープカレー
  • 油不使用の唐揚げ
  • ビーフシチュー

本のコンセプト

「最小限の手間で最大限の満足」

  • 簡単: 工程写真が充実、初心者にも対応
  • 美味しい: 400品以上の試作を経た完成度
  • 健康的: 塩分2.5g、脂質20g以下

塩分2.5g、脂質20g以下の意味

1日の食事摂取基準:

  • 塩分: 7.5g
  • 脂質: 60g

つまり、この本の1食分は、1日の約3分の1に相当

3食すべてこの本のレシピなら、1日の基準をクリアできる。

エビデンス視点:塩分・脂質削減の科学

塩分削減と心血管疾患:JACC State-of-the-Art Review

2020年のJ Am Coll Cardiolの総説(PMID: 32057379)は、塩分削減と高血圧・心血管疾患の関係をまとめた。

結論:

  • 塩分摂取と血圧の因果関係: 強いエビデンス
  • 塩分削減の効果: 高血圧の人も正常血圧の人も両方で血圧を下げる
  • 低塩分摂取と健康: 心血管疾患、全死因死亡率、腎疾患、胃がん、骨粗鬆症のリスク低減
  • 公衆衛生: 塩分削減プログラムは費用対効果が高い

つまり、塩分を減らすことは、健康にとって重要な戦略

低ナトリウム塩の効果:Cochraneレビュー

2022年のCochrane Database Syst Revのレビュー(PMID: 35944931)は、低ナトリウム塩の効果を調査した。

対象: 26件のRCT、34,961人の成人

結果:

  • 血圧低下:
    • 拡張期血圧: 平均2.43 mmHg低下
    • 収縮期血圧: 平均4.76 mmHg低下
  • 心血管イベント減少:
    • 非致死的脳卒中
    • 非致死的急性冠症候群
    • 心血管死亡率

つまり、塩分を減らすだけで、血圧と心血管イベントが減る

飽和脂肪酸削減の効果:Cochraneレビュー

2020年のCochrane Database Syst Revのレビュー(PMID: 32428300)は、飽和脂肪酸削減の効果を調査した。

対象: 15件のRCT、約59,000人

結果:

  • 心血管イベント: 21%減少(RR 0.79)
  • 一次予防: NNTB=56(56人が4年間削減すれば1人が心血管イベント回避)
  • 二次予防: NNTB=32

重要な発見: 飽和脂肪酸を減らすことで、心血管イベントが減る。

つまり、脂質を減らすことも、心臓の健康に良い

超加工食品と健康アウトカム:BMJアンブレラレビュー

2024年のBMJのアンブレラレビュー(PMID: 38418082)は、超加工食品と健康の関係を調査した。

対象: 45の統合解析、9,888,373人

結果(確信度の高いエビデンス):

  • 心血管疾患関連死亡率: 1.50倍
  • 2型糖尿病: 1.12倍
  • 不安: 1.48倍

結果(高度に示唆的):

  • 全死因死亡率: 1.21倍
  • 心疾患関連死亡率: 1.66倍
  • うつ: 1.22倍
  • 肥満: 1.55倍

結論: 超加工食品への曝露を減らすことが公衆衛生上重要。

つまり、超加工食品を避けて、自炊することが健康につながる

本を読んで実践してみた:ワーママ1週間チャレンジ

エビデンスを確認した上で、本を読んで実践してみた。

月曜日:豚キム丼

本の中で最初に目に入ったのが「豚キム丼」。

材料:

  • 豚バラ肉
  • キムチ
  • ごはん
  • 調味料(しょうゆ、みりん、ごま油)

作り方:

  1. 豚バラ肉を炒める
  2. キムチを加えて炒める
  3. 調味料で味付け
  4. ごはんに乗せて完成

調理時間: 10分

味の感想:

塩分2.5g以下でも、キムチの旨みとごま油の風味で、全然物足りなさを感じない。

5歳息子の反応:

「辛い!」と言いながらも、完食。キムチが好きな息子には好評。

水曜日:スープカレー

次に試したのが「スープカレー」。

材料:

  • 鶏もも肉
  • じゃがいも
  • にんじん
  • 玉ねぎ
  • カレールー(通常の1/3量)

作り方:

  1. 鶏もも肉と野菜を炒める
  2. 水を加えて煮る
  3. カレールーを少量加えて味付け
  4. 15分煮て完成

調理時間: 20分

脂質20g以下の秘密:

通常のカレーはルーに油が多いが、この本ではルーを少量にして水でのばす

3歳娘の反応:

娘は「スープだ!」と言って喜んで飲んだ。通常のカレーより軽い味で、子供にも食べやすい。

金曜日:油不使用の唐揚げ

週末前に試したのが「油不使用の唐揚げ」。

材料:

  • 鶏もも肉
  • 片栗粉
  • 調味料(しょうゆ、にんにく、しょうが)

作り方:

  1. 鶏もも肉を調味料に漬ける
  2. 片栗粉をまぶす
  3. オーブンで焼く
  4. 15分で完成

調理時間: 15分(オーブン焼き時間含む)

脂質削減の秘密:

揚げずにオーブンで焼くことで、油を使わない。

味の感想:

外はカリッと、中はジューシー。揚げた唐揚げと遜色ない美味しさ。

息子の反応:

「これ、唐揚げ?」と不思議そうな顔だったが、「美味しい!」と言って3個も食べた。

自分自身の変化:夕食の準備が楽になった

1週間続けて感じたのは、夕食の準備が楽になった

理由:

  • 工程写真が充実: 失敗しにくい
  • 調理時間が短い: 10〜20分で完成
  • 材料がシンプル: スーパーで手に入るものだけ

体感の変化:

朝の目覚めが少し良くなった気がする。塩分と脂質を減らしたことで、体が軽くなった。

実践して感じたこと:メリットと課題

メリット:家族全員で食べられる

ズボラ飯の最大のメリットは「家族全員で食べられる」こと

  • 塩分控えめ: 子供にも安心
  • 脂質控えめ: 大人の健康にも良い
  • 美味しい: 400品以上の試作を経た完成度

エビデンスとの整合性:

2020年のCochraneレビュー(PMID: 32428300)では、飽和脂肪酸削減で心血管イベントが21%減少。

2024年のBMJ(PMID: 38418082)では、超加工食品を避けることで心疾患死亡率が大幅に減少。

つまり、自炊で塩分・脂質を減らすことは、エビデンスに基づいた健康戦略

課題:「ズボラ」でも初回は時間がかかる

1週間続けて感じたのは、初めて作るレシピは時間がかかる

工程写真が充実しているとはいえ、レシピを読みながら作ると、20分かかるレシピでも30分かかる。

解決策:

同じレシピを2回目に作ると、半分の時間で完成する。

つまり、「ズボラ」は「習慣化」してから

課題:毎日違うレシピを作るのは大変

本には102レシピあるが、毎日違うレシピを作るのは現実的ではない

私は、お気に入りの5レシピをローテーションすることにした。

  • 月曜日:豚キム丼
  • 火曜日:スープカレー
  • 水曜日:油不使用の唐揚げ
  • 木曜日:ビーフシチュー(本のレシピ)
  • 金曜日:外食または残り物

このローテーションなら、続けられる。

エビデンスと実践のギャップ:注意点

エビデンスは確立しているが、実践には注意点もある。

塩分2.5g以下は慣れるまで薄味

最初の2日間は、「薄味だな」と感じた。

でも、3日目からは慣れて、素材の味を感じられるようになった

科学的根拠:

2020年のJACC総説(PMID: 32057379)では、塩分削減は高血圧の人も正常血圧の人も両方で血圧を下げると示されている。

つまり、塩分を減らすことは健康に良いが、慣れるまで時間がかかる

脂質20g以下は満腹感が少ない

脂質を減らすと、満腹感が少ない

特に夫は、「もう少し食べたい」と言うことがあった。

解決策:

ごはんの量を増やす、または野菜スープを追加する。

超加工食品を避けるには自炊が必要

2024年のBMJ(PMID: 38418082)では、超加工食品が心疾患死亡率を1.66倍にすると示されている。

つまり、超加工食品を避けるには自炊が必要

でも、毎日自炊するのは大変。

私の結論: 週5日は自炊、週2日は外食または総菜でバランスを取る。

どんな人におすすめか

この本は、以下のような人におすすめ:

対象者理由
忙しいワーママ10〜20分で完成、工程写真が充実
子供の健康が気になる親塩分・脂質控えめで安心
高血圧・脂質異常症が気になる人エビデンスあり、健康的
料理が苦手な人「ズボラ」でも美味しく作れる

ただし、以下の点に注意:

  • 初回は時間がかかる(習慣化が大切)
  • 薄味に慣れるまで時間がかかる(3日目から慣れる)
  • 満腹感が少ない(ごはんや野菜で補う)

まとめ:ズボラ飯は「続けられる」健康習慣

『世界一美味しくて健康的なズボラ飯』は、令和で一番売れたレシピ本の著者が6年かけて作った健康レシピ集。

エビデンスもしっかりしている。

  • 塩分削減で血圧と心血管疾患リスク低減(PMID: 32057379, 35944931)
  • 飽和脂肪酸削減で心血管イベント21%減少(PMID: 32428300)
  • 超加工食品を避けることで心疾患死亡率大幅減少(PMID: 38418082)

忙しいワーママでも、お気に入りレシピをローテーションすれば続けられる。

豚キム丼、スープカレー、油不使用の唐揚げ。

5歳の息子も、3歳の娘も、「美味しい!」と言って食べてくれる。

前回のスープ本との違いは「バリエーション」

スープだけでは飽きるが、主菜・丼・カレーなど多様なレシピがあれば、飽きずに続けられる。

私は、スープ本とズボラ飯を組み合わせることにした。

  • 朝:野菜スープ
  • 夜:ズボラ飯

このコンビネーションなら、塩分・脂質を減らしながら、家族全員で美味しく続けられる。

5歳の息子、3歳の娘と、これからも健康的な食生活を続けたい。

今回紹介した本

世界一美味しくて健康的なズボラ飯

令和で一番売れたレシピ本の著者が6年かけて作った102レシピ。全レシピ塩分2.5g脂質20g以下

amazon.co.jp

参考文献

Sources:

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桂木 瑛

エビデンス沼のワーママ。信頼できるインフルエンサー経由の情報を追い、エビデンスあるものを試して体感で続けるか決めるスタイル。

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