モリンガパウダーに鉛リスク?Rhonda Patrickが中止した理由と代替案
Rhonda Patrick が、モリンガパウダーやいわゆる greens powder をやめた。
この話、SNS だとすぐ
- モリンガは危険
- グリーンパウダーは全部ダメ
- lead が入ってるから即アウト
みたいに雑に広がりやすい。
でも、PubMed と本人の発言を並べると、話はもう少し地味で、でも実務的だった。
私の理解では、Patrick が嫌がったのは
「植物粉末サプリは有効成分が曖昧なわりに、鉛みたいな曝露を毎日積み上げやすい」
という構図だ。
これは、かなり筋がいい。
先に結論
今回の結論を先に書く。
| 論点 | 私の結論 |
|---|---|
| モリンガは危険か | 危険と断定はしないが、毎日飲む粉としては再評価したい |
| 鉛リスクは本当にあるか | 製品差は大きいが、懸念する理由はある |
| モリンガの benefit は強いか | 今のRCT/メタではそこまで強くない |
| 代替案は何か | “緑の粉”より、目的の決まったスルフォラファンの方が筋がいい |
| Avmacol はなぜ出てくるか | 実際にヒト試験で使われた sulforaphane 系の代表例だから |
つまり、
「モリンガが悪者」ではなく、「よく分からない植物粉末を毎日足すより、目的の明確な成分に寄せた方がいい」
という話。
Patrick が実際に気にしていたのは「1-2 µg の鉛/serving」
FoundMyFitness の 2025年10月のページ
Stop Taking This Popular Supplement (It’s Loaded with Lead)
では、Patrick は
many popular greens powders often contain 1-2 micrograms of lead per serving
とまとめられている。
ここ、数字だけ見ると小さく見える。
でも Patrick が言いたいのはたぶんそこじゃない。
- 毎日飲む
- 粉末だから濃縮されやすい
- しかも有効成分が曖昧
この3つが重なると、「その曝露をわざわざ背負う価値があるのか?」 という問いになる。
私はこの判断、かなりわかる。
サプリって、効くかどうかが曖昧なものほど、リスク管理の基準を厳しくした方がいいから。
モリンガ単独でも、重金属の製品差はかなりある
これを PubMed 側から支えるのが、2015年のモリンガ製品分析。
タイで購入した各種モリンガ製品の重金属を ICP-MS で測っていて、
- 茶葉はヒ素・水銀などが高め
- 葉カプセルは鉛・カドミウム・ニッケルなどが高め
という結果だった。
著者の結論もかなり素直で、
モリンガ製品の重金属は継続的なモニタリングが不可欠
としている。
つまり、
モリンガは自然だから安全
ではない。
むしろ葉を乾燥させて、粉にして、カプセルにして、毎日飲む形にすると、原料と土壌の差がそのまま曝露量の差になりやすい。
ここがポイントだと思う。
問題はモリンガだけじゃない。ハーブ系サプリ全般の弱点でもある
さらに 2025年の Biology 論文 では、アダプトゲン系ハーブサプリメント 11製品を分析している。
結果は、かなり嫌な感じだった。
- 汚染は広範囲
- 加工品で鉛が上限超過
- ニッケルもかなり高い製品あり
もちろん、これはモリンガの試験ではない。
でも Patrick の判断を考えるには十分な補助線になる。
植物粉末系サプリは、そもそも重金属リスクを抱えやすい。
さらに 2020年の症例報告 では、ハーブ系サプリメントに関連した鉛中毒まで出ている。
ここまで来ると、「natural だから大丈夫」とは言いにくい。
しかも、モリンガの効果は“そこまで強い”わけでもない
ここがいちばん大事かもしれない。
もしモリンガが、
- 大きな効果
- 再現性の高いヒトRCT
- 明確なアウトカム改善
を持っていたら、多少の管理コストを払う議論もある。
でも現状は、そこまでじゃない。
2025年のメタ解析では、一貫した効果を支持していない
2025年のメタアナリシス では、モリンガ補給の心血管代謝指標をまとめている。
結論はかなり冷静。
- ほとんどのアウトカムで 有意差なし
- 拡張期血圧のわずかな低下はあるが頑健でない
- エビデンスの確実性は非常に低い
つまり、
「効くかもしれない」以上に強くは言えない。
個別RCTでも、血糖は動いていない
2017年のプラセボ対照試験 では、未治療の2型糖尿病患者にモリンガ葉カプセル 8 g/日 を 4週間入れている。
でも、
- FPG
- HbA1c
には 有意差なし。
私はこういうデータを見ると、Patrick の判断はさらに理解しやすくなる。
効果がはっきりしない粉を、汚染リスク込みで毎日飲む必要があるのか。
ここに No を出したわけだよね。
じゃあ代わりに何へ寄せるのか
ここで Patrick 文脈で出てくるのが、
sulforaphane
だ。
FoundMyFitness でも、トップサプリのひとつとして Avmacol が挙がる。
私はこの切り替え、かなり筋がいいと思っている。
理由はシンプル。
スルフォラファンは「緑の粉」ではなく、「何を入れているか」がかなり明確
モリンガや greens powder は、
- 葉物のブレンド
- 植物種が多い
- 有効成分が曖昧
- しかも土壌差が出やすい
という難しさがある。
一方、sulforaphane 系は狙っているものが比較的はっきりしている。
- glucoraphanin
- そこから生まれる sulforaphane
- さらに ミロシナーゼの有無 が生体利用率を左右する
Fahey らの 2015年論文 では、活性ミロシナーゼがある方が、グルコラファニン単独より 3-4倍 吸収されやすい ことが示されている。
ここ、すごく大事。
サプリ選びで見るべき基準が、かなり明確になるから。
Avmacol がよく出てくるのは、実際にヒト試験で使われているから
例えば 2022年のランダム化クロスオーバー試験 は、喫煙者を対象に Avmacol® を使っている。
結果は、
- ベンゼン
- アクロレイン
- クロトンアルデヒド
の解毒代謝を有意に促進。
ここで言う解毒は、ふわっとした「体の毒出し」ではない。
メルカプツール酸の尿中排泄
みたいな、かなり具体的なバイオマーカーの話だ。
さらに 2014年のブロッコリースプラウト飲料試験 でも、
- ベンゼン 61%
- アクロレイン 23%
の排泄増加が出ている。
つまり、
異物代謝や Nrf2 を介した第2相解毒酵素の誘導を狙うなら、モリンガよりスルフォラファンの方がヒトでの筋がいい。
これが今回のいちばん大きいポイント。
ただし、スルフォラファンも万能ではない
ここもブレーキをかけておく。
スルフォラファンは面白い。でも、
- 万能サプリではない
- どの製品でも同じではない
- 生体利用率はかなり製品依存
だ。
2025年の前糖尿病試験 でも、全体の空腹時血糖低下は -0.2 mmol/L と控えめ。
反応した人のサブグループでは -0.4 mmol/L まで出たけれど、これは探索的な解析だ。
だから私は、スルフォラファンを
派手に効くサプリ
としては見ていない。
でも、
目的の定まったサプリ
としては、グリーンパウダーよりずっと扱いやすい。
私ならこう選ぶ
greens powder を見直したい人に、私はこう整理する。
1. 目的が「なんとなく健康」なら、まず粉を減らす
この場合、greens powder をモリンガから別ブランドへ変えるより、
- 野菜を増やす
- 冷凍ブロッコリーや葉物を固定化する
- 足りないなら multivitamin を使う
の方が再現性が高い。
2. 目的が「抗酸化・解毒系シグナル」なら、スルフォラファンへ寄せる
この場合は、
- broccoli sprout
- broccoli seed and sprout extract
- glucoraphanin + myrosinase
みたいに、成分と仕組みが見えるものの方がいい。
Avmacol が話題になるのは、まさにここ。
3. それでも植物粉末を続けるなら、COA と第三者試験を確認する
これは最低限。
Patrick がやめたのも、結局はここが面倒だからだと思う。
毎日飲む粉ものは、信用より検査。
ここはかなり大事。
私の結論
Patrick がモリンガパウダーをやめた理由は、モリンガが危険と証明されたから ではない。
もっと実務的で、
効果が曖昧な植物粉末に、鉛曝露の不確実性まで乗せたくない
という判断だ。
PubMed を見ると、この感覚はかなり妥当だった。
- モリンガ製品には重金属のばらつきがある
- ハーブ系サプリ全般にも汚染リスクはある
- その一方で、モリンガの効果はまだ弱い
だから私は、
greens powder を続ける理由が “なんとなく良さそう” なら、一度やめていい
と思う。
そのうえで、もし狙いが
- Nrf2
- 第2相解毒酵素
- 異物代謝の補助
みたいな方向なら、
スルフォラファンの方がエビデンスベースで選びやすい。
モリンガから Avmacol に切り替える、というより、
”緑の粉” という雑なカテゴリから、目的の見える成分に移る
と考えると、かなり整理しやすい。
ブロッコリースプラウトを食卓に取り入れる方法は、ブロッコリースプラウトを子供の食卓にでも整理している。
グルコラファニン由来のスルフォラファン。モリンガの代わりに目的の明確な成分を選びたい人向け。
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