サプリより食事?マルチビタミンRCTが示した意外な結論と家族の食育

サプリより食事?マルチビタミンRCTが示した意外な結論と家族の食育

正直に言う。私はサプリを結構飲んでいる。

マグネシウム、鉄分、プロバイオティクス、子供用のビタミンD……クローゼットの一角がサプリ在庫コーナーになっているのは、このサイトを読んでくれている人ならご存知の通り。

だからこそ、この論文を読んだ時は少し複雑な気持ちになった。


マルチビタミン vs 栄養教育、RCTの結果

2026年のAsia Pacific Journal of Clinical Nutritionに掲載されたRCTを紹介する。

研究デザイン

項目内容
対象脂溶性ビタミン(A, D, E)欠乏の成人155名
期間4週間
デザイン二重盲検ランダム化比較試験(RCT)
介入群栄養教育 + マルチビタミンサプリ
対照群栄養教育 + プラセボ

ポイントは、両群とも栄養教育を受けていること。つまり「栄養教育に、サプリを追加する意味があるか?」を検証した研究だ。

結果

  • 両群ともビタミンA, D, E濃度が有意に上昇(p < 0.001)
  • 両群とも欠乏率が有意に減少(p < 0.001)
  • しかし、2群間に有意差なし(p > 0.05)

つまり、栄養教育だけでビタミン欠乏は改善し、マルチビタミンサプリを追加しても効果は変わらなかった


何を意味するのか

この結果を素直に受け止めると、「正しい食事の知識があれば、サプリなしでもビタミン欠乏は改善できる」ということになる。

栄養教育で何を学んだか

論文では具体的な教育内容の詳細は省略されているが、一般的な栄養教育では以下のようなことを学ぶ:

  • ビタミンA: レバー、にんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜
  • ビタミンD: 魚(サケ、サバ、イワシ)、卵黄、きのこ類、日光浴
  • ビタミンE: アーモンド、アボカド、オリーブオイル

「何を食べればどの栄養素が摂れるか」を知ることで、参加者は自然と食事を改善したのだろう。


サプリは不要なのか?

ここで誤解しないでほしい。この研究は「サプリ不要」を証明したわけではない

研究の限界

  1. 期間が4週間と短い:長期的な効果は不明
  2. 対象は成人のみ:子供や妊婦には当てはまらない可能性
  3. 両群とも栄養教育を受けている:「何も介入しない」との比較ではない
  4. 重度の欠乏者は除外:軽度〜中等度の欠乏者が対象

サプリが必要なケース

  • 妊娠中・授乳中: 葉酸、鉄分、DHAなど
  • 特定の疾患がある人: 吸収障害、慢性疾患など
  • 食事制限がある人: ビーガン、アレルギー等
  • 重度の欠乏が確認された人: 医師の指導のもとで

私自身、フェリチン値が25μg/Lで「隠れ貧血」だったから鉄分サプリを飲んでいる。これは血液検査で確認した上での判断だ。


家族の食育に活かすヒント

この研究から私が学んだのは、「まず食事、次にサプリ」という順序の大切さだ。

子供の偏食対策も「教育」から

5歳の息子は野菜が苦手。3歳の娘は魚を「くさい」と言って食べない。

でも、この研究を読んで思った。サプリで補う前に、食事で摂れる方法を探すべきだ

最近やっていること:

  • 野菜は「見た目の楽しさ」で勝負: 星型にくり抜く、顔の形にする
  • 魚は姿を隠す: ツナおにぎり、サバ缶ハンバーグ
  • 一緒に買い物に行く: 「この野菜、何色?」と聞くだけでも興味を持つ
  • 絵本で栄養を教える: 「にんじんは目にいいんだよ」

「何が入っているか」を知る

子供のオメガ3を確保する記事でも書いたけど、まず食品の栄養成分を知ることが出発点だ。

栄養素豊富な食品1食で摂れる量の目安
ビタミンAにんじん1/2本400μg(推奨量の50%以上)
ビタミンDサケ1切れ約30μg(推奨量の3-4倍)
ビタミンEアーモンド20粒約6mg(推奨量の100%)

こうして見ると、意外と食事だけで補えることが分かる。


それでも私がサプリを飲む理由

ここまで書いておいて矛盾するようだけど、私はサプリをやめない。

理由1:保険として

毎日完璧な食事を作れるわけじゃない。忙しい日、疲れた日、外食が続く日。そんな時の「保険」としてサプリがある。

理由2:血液検査で欠乏が確認されている

フェリチン値25μg/Lは、食事だけで改善するのは難しい。鉄分サプリは医師のアドバイスのもとで飲んでいる。

理由3:子供にカプセルは難しい

ビタミンDは日光浴と魚で摂れるけど、子供が魚を食べない日もある。液体のビタミンDドロップは保険として使っている。

California Gold Nutrition, ベビー ビタミンD3ドロップ、10ml

1滴で400IU。魚を食べられなかった日の保険として。

iherb.com

(Amazonと楽天では、同じ商品が見つからない場合があります)


まとめ:順序を間違えない

この研究が教えてくれたのは、「まず食事を見直す」ことの力だ。

サプリに頼る前にできること

  1. 栄養の知識を増やす: 何を食べればどの栄養素が摂れるか
  2. 食事の記録をつけてみる: 実際に何が足りないか把握
  3. 血液検査で確認: 本当に欠乏しているか客観的に見る
  4. 食事で補う工夫をする: レシピの工夫、食材の選び方
  5. それでも足りない場合にサプリ: 最後の手段として

子供への食育

「サプリを飲ませる」より「食べ物の栄養を教える」方が、長い目で見て価値がある。

息子に「にんじんはビタミンAがあって、目にいいんだよ」と教えたら、「じゃあ食べる」と言ってくれた。小さな一歩だけど、こういう積み重ねが大事なんだと思う。


今回紹介したサプリ

食事で補えない場合の選択肢として。

Thorne, ビスグリシン酸鉄、60粒

キレート鉄で胃腸に優しい。血液検査で欠乏が確認された人に。

iherb.com

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桂木 瑛

エビデンス沼のワーママ。信頼できるインフルエンサー経由の情報を追い、エビデンスあるものを試して体感で続けるか決めるスタイル。

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