元自衛官が教えるメンタルが壊れない23の習慣。習慣形成のエビデンスで実践

元自衛官が教えるメンタルが壊れない23の習慣。習慣形成のエビデンスで実践

「もう限界」と思った朝、この本を手に取った

最近、メンタルが限界だった。仕事と子育てのストレスで、朝起きるのが辛い。息子と娘の支度をしながら、「今日も乗り切れるだろうか」と不安になる。同僚に「桂木さん、疲れてる?」と言われて、自分でも気づいた。このままでは壊れてしまう。

そんな時、本屋で見つけたのが、わび先生(元幹部自衛官)の『メンタルが壊れない23の習慣』(朝日新聞出版、2026年1月)だった。

メンタルが壊れない23の習慣―元幹部自衛官が教える

元幹部自衛官が精神的な困難を乗り越えて開発した23のルーチン。朝の習慣、ストレス管理、セルフケア実践で、メンタルレジリエンスを構築。精神科医Tomyの解説付き。

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タイトルが心に刺さった。「メンタルが壊れない」習慣。読み進めるうちに、この本のアプローチがPubMedの最新研究で科学的に検証されていることに驚いた。

習慣ベースの介入がメンタルヘルス・QOLを向上させる

わび先生の本は、日常・週間・月間の23のルーチンを通じて、メンタルレジリエンスを構築する方法を解説している。自衛官としての経験を活かし、精神的な困難を乗り越えた先生の言葉には説得力があった。

2025年のBMC Psychol研究PMID: 41353529)では、習慣ベースのメタ認知セルフヘルプ介入(MCSI)がメンタルヘルス・QOL向上に効果的であることが示された。65歳以上の高齢者101人を対象にした研究で、以下の結果が得られた:

MCSIの構成要素:

  • 目標設定 + 目標実行
  • 4つのメタ認知習慣ベースコンポーネント:
    • 習慣とプランニングの心理教育
    • 行動変化の機会モニタリング
    • if-thenプランニング(実装意図)
    • if-thenプラン評価

結果: 両群とも高頻度の目標行動達成とメンタルウェルビーイング・QOL改善が見られたが、習慣ベースMCSIは追加的な利点があった:

  • 行動のタイミングの規則性が高い
  • より強いルーチン形成
  • QOL、自己管理能力、ライフスタイル満足度でより大きい改善
  • 無気力の減少

特に重要なのは、メンタルヘルスが悪い人(うつ、無気力、孤独が高い)で効果が顕著だったことだ。

私はまさに「メンタルヘルスが悪い」状態だった。この研究結果は、習慣を身につけることで、私のような人こそ大きな改善が見込めることを示していた。

1週間、朝のルーチンを実践してみた

わび先生の本では、朝の習慣が特に重要だと強調されていた。私も朝のルーチンを試してみることにした。

月曜日:5分早起きして、水を1杯飲む

最初の習慣は「5分早起きして、水を1杯飲む」だった。いつもより5分早く起きて、コップ1杯の水を飲んだ。たったこれだけだが、1日のスタートが少し違った。

水曜日:朝のストレッチを3分

次に追加したのは「朝のストレッチ3分」だった。起きてすぐ、リビングで簡単なストレッチをした。体が目覚め、頭がすっきりした。

金曜日:if-thenプランニングを実践

2022年のPerspect Psychol Sci研究PMID: 34495781)では、習慣形成の科学を精神疾患のエビデンスベース心理療法(EBPT)に応用することの重要性が示されている。

この研究では、習慣形成の6つの要素が特定され、EBPTの暗黙的目標は「望ましくない習慣を中断し、望ましい習慣を形成すること」だと説明されている。

私は「if-then」プランニングを実践した。「朝起きたら(if)、まず水を飲む(then)」「ストレッチが終わったら(if)、深呼吸を3回する(then)」という具合だ。

if-thenプランニングは、習慣を自動化するための強力なツールだ。「もし〇〇したら、△△する」という形で決めておくと、考えずに行動できる。

希望・レジリエンス・やり抜く力がメンタルを支える

わび先生の本では、「やり抜く力(grit)」の重要性も強調されていた。習慣を身につけるには、継続する力が必要だ。

2026年のAust J Psychol研究PMID: 41658509)では、希望(Hope)、レジリエンス(resilience)、やり抜く力(grit)がバーンアウトと心理的ウェルビーイングを予測することが示された。イランの石油会社従業員300人を対象にした研究で、以下の結果が得られた:

  • 希望、レジリエンス、やり抜く力が心理的ウェルビーイングとバーンアウトに有意な直接効果(β = -0.35-0.50
  • やり抜く力が媒介要因として機能

つまり、希望を持ち、レジリエントで、やり抜く力がある人は、バーンアウトしにくく、心理的ウェルビーイングが高い。

週末:grit(やり抜く力)を意識する

週末、私は1週間の朝のルーチンを振り返った。5分早起き、水を飲む、ストレッチ3分。これを5日間続けた。小さな習慣だが、続けられた自分を誇りに思った。

息子と娘に「ママ、最近元気だね」と言われた。朝のルーチンが、メンタルを支えていることを実感した。

習慣は小さく始めて、少しずつ増やす

わび先生の本を読んで、最も重要だと感じたのは「習慣は小さく始めること」だ。23の習慣を一度に始めるのは無理だ。まず1つ、できたら次の1つ。

1週間の実践で感じたこと:

  • 朝のルーチンが1日のスタートを変える
  • if-thenプランニングで習慣を自動化できる
  • 小さな習慣でもメンタルに大きな影響がある
  • grit(やり抜く力)が習慣形成の鍵

エビデンスは明確だ。習慣ベースの介入がメンタルヘルス・QOL向上に効果的で、特にメンタルヘルスが悪い人で効果が顕著だ(PMID: 41353529)。習慣形成の科学を治療に応用すればアウトカムが大幅に改善する可能性がある(PMID: 34495781)。希望、レジリエンス、やり抜く力がバーンアウトと心理的ウェルビーイングを予測する(PMID: 41658509)。

どんな人におすすめか

この本は以下のような人に特におすすめ:

  1. ワーママでストレスが限界の人: 仕事と子育てでメンタルが疲れている
  2. 朝が辛い人: 朝のルーチンで1日のスタートを変えたい
  3. 習慣を身につけたい人: 小さな習慣から始めたい
  4. メンタルヘルスを改善したい人: エビデンスに基づいた方法を知りたい

わび先生の本は、メンタルレジリエンスを構築する実践的なガイドだ。エビデンスはその内容を科学的に支持している。5歳息子・3歳娘を育てる私にとって、この本は「メンタルが壊れない」ための救いになった。完璧を目指さなくていい。小さな習慣から始める。それがメンタルを守る第一歩になる。

参考文献

  • Brinkhof LP, et al. Boosting behavioral adaptability to enhance older adults’ mental health/well-being and quality of life using a habit-based metacognitive self-help intervention. BMC Psychol. 2025. PMID: 41353529
  • Harvey AG, et al. Applying the Science of Habit Formation to Evidence-Based Psychological Treatments for Mental Illness. Perspect Psychol Sci. 2022. PMID: 34495781
  • Asheghi M, et al. Hope, resilience and grit: a mediation model to predict burnout and psychological well-being. Aust J Psychol. 2026. PMID: 41658509

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桂木 瑛

エビデンス沼のワーママ。信頼できるインフルエンサー経由の情報を追い、エビデンスあるものを試して体感で続けるか決めるスタイル。

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